7月の大雨で近くを流れる川の水があふれ、梨畑の約3割に被害があった山形・酒田市の刈屋地区で、特産品の「刈屋梨」の収穫が本格的に始まった。
7月の大雨が梨畑を襲い大きな被害
2024年も大きくて甘い「刈屋梨」が立派に実った。酒田市刈屋の小松賢さんの梨畑では、8月21日朝、「幸水」の収穫作業に追われていた。2024年は春先に天候に恵まれ、霜の被害はなく、梨のできに大きな手応えを感じていた矢先にあの雨が襲った。

刈屋梨農家・小松賢さん:
ことしは最高の花粉交配の様子だったんだけど…。いっぱい花芽がなって落とすのが大変なくらいだった。

7月25日の記録的な大雨であふれた川の水が川沿いの梨畑を襲い、組合に所属する生産者の畑、約31haのうちの3割で浸水などの大きな被害があった。

梨の木ごと全て流された畑もある中、小松さんの畑は大きな被害を免れたが、畑の中に10cm以上の土砂がたい積し、消毒などの作業に大きな影響があった。

小松さんは「地面が高いので、ここがこんな感じで体を曲げて入らないと…。(勝手が)全然違う」と話す。
土砂の撤去が終わらず収穫期に
2024年のできは太鼓判ながら、小松さんの畑の収穫量は2023年に比べ、約1割減るとみられていて、組合全体では約3割減る見通しだ。

心配した消費者からの問い合わせも増え、この日も小松さんは「うちは10アールほど(畑が)冠水したが、そんなに大勢に影響はない」と対応をしていた。

畑にたまった土砂の撤去が全て終わらないまま迎えた収穫期。今は具体的な復旧策より、質の良い梨を届けるため最高のタイミングで収穫することが最優先だ。

刈屋梨農家・小松賢さん:
泥や土砂は一部撤去したが、畑の中はどうしようもない。こうして収穫が始まったので、手がつけられる問題でもない。収穫を終えて、それからどうしようかと。
収穫作業は、10月いっぱい続く。
(さくらんぼテレビ)