前経済安全保障担当相の小林鷹之衆議院議員(49)が、19日午後、自民党総裁選に立候補を表明した。小林議員に「首相になって一番したいこと」「どんな人なのか」「弱点は何か」など話を聞きいた。
49歳の小林議員「若手という意識は全くない」
青井実キャスター:
自民党総裁選に立候補を表明した、前経済安全保障担当相の小林鷹之衆議院議員にお話を聞きます。
小林議員には、「首相になって一番したいこと」、ご自身は「どんな人間」なのか、さらに、「自身の弱点」などを事前に書いていただきました。ご自身をどんな人間だと思いますか?

小林鷹之衆議院議員:
基本的にここに書いてある通り、芯はぶれない、意志は強い方だと思います。
青井キャスター:
弱点に書かれている気まじめ(※原文ママ)というのは、どういうことでしょうか。
小林鷹之衆議院議員:
何事も受け流すことができなくて、一つ一つ結構真剣に捉えちゃうところがあります。真剣に考えると、よく同僚からも「顔が怖い。もっと笑え」と言われます。

青井キャスター:
小林議員の経歴を見てみると、開成中学・開成高校を卒業後、東大法学部、そして、今の財務省である大蔵省に入省、さらに、ハーバード大学を修了されており、まさに非の打ち所がない経歴です。欠点がないことが欠点などとも言わていますが、その辺りはどう分析されますか?
小林衆議院議員:
欠点はたくさんあるんですけど、カメラの前で言うのは控えておきます。家族はよく分かっていると思います。
青井キャスター:
今回、自民党での裏金問題を契機に、派閥が解消されました。その後初の総裁選となったわけですが、19日の会見の中でも「脱派閥選挙をこの総裁選で徹底します。旧派閥に対する支援は一切求めません」と言っていましたが、どうやって支援を取り付けていくのでしょうか?
小林衆議院議員:
今回、私は自民党が非常に危機的な状況にある中で、今回私を支えてくれている仲間というのは、旧派閥の枠を超えて、一人一人の主体的な意思と行動で支えてくれています。
従って、これから当然、支援の輪を広げていくわけですけれども、こうした志を共有しているこのチームワークで、一人一人が私も含めて地道に支援を拡大していくしかないのかなと思っています。
青井キャスター:
小林議員は49歳でいらっしゃいますが、一般の会社員だとベテランの方だが政治の世界では若手と言われる世代ですよね。若手としての売りだったり、若手として感じる先輩たちの弊害であったり、障害というのはあるんでしょうか?
小林衆議院議員:
私自身は若手という意識は全くありません。他の国のリーダーを見ても、40代のリーダーたちもたくさんいます。また、先輩議員を見て何かというよりも、私たちの世代もその先の未来に責任を持てる世代として、先輩からも当然学ぶことはあるんですけども、ただ付いて行くフォロワーではなくて、私たち自身一人一人が主体的に党をどうするのか、日本をどうするのか、そういう形で動いていかなければいけない世代だと認識しています。

青井キャスター:
小林議員は派閥解体するまで二階派に所属していましたが、派閥のボスと言われるような人たちと決別することは本当に出来るのでしょうか?
小林衆議院議員:
「派閥のボス」という形と「決別」という言い方は、あまり適切ではないと思っています。
今やるべきことは、後輩から大先輩に至るまで、自民党の中のすべての人材の能力や経験を結集して、自民党、そして日本のこの課題に対して向き合っていくということだと思っています。
課題は「政治資金の透明化含めた党改革」
SPキャスター柳澤秀夫さん:
小林議員は、自民党を変えるというふうにおっしゃっていますが、国民が求めてるのは自民党じゃなくて日本の政治そのものを変えてほしいと思っています。この乖離をどうやって埋めていくおつもりですか?

小林衆議院議員:
まずは自分たちでできるところ、自民党の中の体制をしっかりと変えていくというところはあると思います。政治資金の問題にしても、あるいは能力や経験を重視した人事のあり方にしても、党としてまずやるべきことはやらなきゃいけない。その先に政治改革があると思います。
また、その政治改革をやれば、国民の皆さんがそれでご理解、納得いただけるかというと、私はそうは思っていません。一番大切なのは、日本をどういう国へと導いていくのか、そのビジョンを示し、政策を示すということだと思っておりますので、そこはちゃんと意識をして改革に取り組んでいきたいと思います。
SPキャスター柳澤さん:
国民の信頼を回復するための一番の鍵は、何だというふうにお考えですか?
小林衆議院議員:
まず当面は足元の課題として、政治資金の透明化を含めた党改革だと思っています。それに加えて今申し上げた通り、党改革、政治改革に加えて、現実的な政策を一つ一つ積み上げていくこと。これは時間がかかるかもしれませんが、そうした中で国民の皆様の信頼というものが、時間をかけて少しずつ戻ってくるものだと考えます。
青井キャスター:
小林議員ならできるというふうに、ご自身でも思っていらっしゃいますか?
小林衆議院議員:
そう思うから、今回立候補いたしました。

青井キャスター:
7月に行われたFNNの世論調査では、「次の自民党の総裁に誰がふさわしいのは?」という問いに、トップが石破さんの24.7%、2位が小泉さんの12.1%、小林衆議院議員は0.1%となっていますが、知名度についてどうお考えですか?
小林衆議院議員:
知名度0からの出発だと自覚しています。そもそも最近、この調査に名前を載せていただいていること自体、非常にありがたいと思っておりました。
ただ、今日出馬を表明した以上はそういうことは言っていられませんので、とにかく一人でも多くの党員、また国民の皆様に私自身の存在そのものと、私が何を考えているのか、訴えていくのか、それを知っていただきたいと思っております。
「私はあくまでチャレンジャー」
青井キャスター:
10人以上が候補となっているわけですけれども、同じ40代の小泉さんをどう思われていますか?

小林衆議院議員:
小泉議員に限らず、今名前が挙がっている方々は私にとっての先輩議員であって、お一人お一人から色々なことを学ばせていただいた、そういう関係にありますので、今回私はあくまでチャレンジャー、全ての先輩の議員の胸を借りるつもりで、この総裁選に臨みたいと思っています。
立石修フジテレビ解説委員室長:
小林議員は、会見で「これまでの自民党の慣例を変える」とおっしゃられました。ただ、長く続いた慣例を変えるのは本当に難しいことだと思います。かつて小泉純一郎さんが、総裁選に出馬した時に、「自民党をぶっ壊す」という、分かりやすいフレーズで国民をも巻き込んだ総裁選を行いました。改めて、小林さんの今回の総裁選に臨む覚悟というものを端的に聞かせください。
小林衆議院議員:
私は、壊せばいいとは思ってはいません。自民党の中でいい慣例というものもあります。それは例えば侃々諤々と議論をした上で、いったん決まれば皆がそれに従うという慣例、こうしたものはしっかり守っていくべきだと思います。壊すというよりも、今、今回の政治資金問題の対応の過程で、自民党のガバナンスが少し崩れていると思いますので、それを新しく作り直すというところが大切なのかなというふうに思っています。

宮司愛海キャスター:
今の国会における女性の議員の割合は約1割というふうに言われていますが、その点、なぜだと思われますか。また、首相になられた暁には、どのような対策を講じたいと考えられていらっしゃいますか?
小林衆議院議員:
今、女性活躍というものが一つの焦点になっています。性別に関わらず、自分がやりたいことに挑戦できる環境を整えていくということは、当然大切だと思います。
その意味で、この女性の政治参画において、何かハードルがあるとすれば、当然、自民党としても、そこに対する工夫やアプローチというものは、必要になってくるだろうと考えています。
青井キャスター:
立候補の表明を終えて、どんな気持ちですか?
小林衆議院議員:
いよいよ始まったなという思いです。ここに来るまで、多くの同僚議員が支えてくれましたので、その仲間とともに少しでも私の思いを広げていけるように、共に走っていきたいと思います。
(「イット!」 8月19日放送より)