コロナ禍でよさこい祭りへの参加を見送ってきたチームが、5年ぶりに復活。固い絆で結ばれた“町内会チーム”が2024年、再び舞い戻った。

再始動のテーマは「再宴」

7月、高知市の潮江小学校でよさこいチーム「梅乃連」の練習が始まった。梅ノ辻よさこい実行委員会・服部一浩実行委員長は「梅乃連は5年ぶりです。コロナ禍になってからチームを出せなくなり、去年もまだコロナ禍が収まってないということで、ことしようやく5年ぶりに踊り子チームを出すことができました」と話した。

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梅ノ辻町内会が地域の活性化を目指して立ち上げた「梅乃連」は、よさこい祭り唯一の“町内会チーム”で、コロナ禍の4年間は地域の子供たちの健康を考え参加を見送ってきた。

「梅乃連」練習初日の様子
「梅乃連」練習初日の様子

再始動した2024年は4歳から71歳までの81人が参加。テーマは「再宴」だ。インストラクター・嶋崎碧さんは、「踊り子さんとのご縁も大事にしたい。みんなとの輪、円も大事にしたい。みんなで盛り上がろうぜっていう宴(うたげ)の宴(えん)とか、みんなでキラキラ輝いて、すてきに踊ろうぜっていう艶(あで)やか・艶(つや)やかの艶(えん)とかたくさんの意味が入っています」と話した。

踊り子たちは、振り付けの中で咲き誇る梅の花を表現した手の動きに苦戦していた。「あっ、間違った。わぉ!やめて。まだ、初日やきまだ…2、3日はかかる」と話す踊り子もいた。

地域の子供たちや親子の参加が多いのも「梅乃連」の特徴だ。ポーズで前に出す足が逆になってしまい、「逆~、ああ…」と悔しがる子供の姿も見られた。

“よさこい愛”は次の世代へ

体育館の脇では、約30年前に「梅乃連」の踊り子として、よさこい祭りに参加したときの写真を見る人たちの姿があった。吉岡利恵さん(69)、北村真喜恵さん(75)、岩城良子さん(65)の3人はコロナ禍前、いつも一緒に踊っていたという。

吉岡さん「“三姫”です」
岩城さん「昔はね」
吉岡さん「今はもう“三ババです”」
岩城さん・吉岡さん「今でもいけるかもしれんで」
吉岡さん「いけるかもしれん」
北村さん「今まではね、ついていって頑張って踊ったりしたけど、もう歳には勝てないね」
岩城さん「昔からいう梅ノ辻のキャッチフレーズが“手作り、真心、和気あいあい”!」

継承されていく“よさこい愛”
継承されていく“よさこい愛”

この“よさこい愛”は次の世代へ。吉岡さん一家、北村さん一家、岩城さん一家の娘たちは今、インストラクターやスタッフとしてチームを引っ張っている。

岩城さんは「そのまだ子供、孫たちも踊るようになっていますので」と話す。“子供や孫へ町内会チームをつなげたい”これが「梅乃連」の復活にかけた思いだ。

一緒に踊れることを楽しみにしていたという親子に話を聞いた。母親は「よさこいがないのがちょっと寂しいなと思って、すごくなんか…うれしい。こんな日がくるなんて…うれしかった。ありがとうございます」と話した。

吉岡さんたちは「町内が本当に一生懸命。お父さんもおじいちゃんもおばあちゃんもみんな出てきて頑張ってやっていますので“高知家の家族”じゃなくて“梅ノ辻の家族”みたいな感じ。“梅ノ辻ファミリー”ですね」と語る。

固い絆で結ばれた“梅ノ辻の家族”が2024年、よさこい祭りで再び花開いた。

(高知さんさんテレビ)

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高知さんさんテレビ
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