北海道小樽市の「しゃべるカラス」が注目を集めている。
7月、おたる水族館で撮影された映像には、普通のカラスとは異なる鳴き声を発するカラスが映っている。
通常、「カアカア」と鳴くはずのカラスが、まるで人に話しかけるような不思議な声を発しているのです。
驚異の1000万回超え!SNSで話題に

この映像を撮影した人物は「カラス語がわかる人はいませんか?」とSNSに投稿。この投稿は瞬く間に拡散した。
再生回数は驚異の1000万回を超えた。
撮影されたカラスは、「ゴロゴロ~ゴロンア~」や「ウグンガ~」といった謎の声を出しており、まるで何かを必死に伝えようとしているかのようだ。
この不可解な鳴き声に対し、視聴者からも多くの反響が寄せられている。
実際にカラスは何を話しているのかを解明すべく、専門家に調査を依頼したところ、意外な事実が明らかになった。
謎の鳴き声の正体は…トド?

宇都宮大学 杉田昭栄 名誉教授によると、「このカラスはトドなどの動物の鳴き声を真似している可能性がある」と指摘する。
カラスは非常に知能が高く、周囲の音を真似する能力を持っている。今回のカラスもその高い模倣能力を発揮し、トドの鳴き声を完璧に再現していたようだ。
カラスの脳の重さは…人間に近い?
さらに、カラスは人の顔を認識する能力があることもわかっている。
杉田教授によると、カラスは食べ物を得るために知恵を使い、人間の行動を観察して学習することができるという。
カラスの驚くべき知能については、最新の研究でも次々と証拠が見つかっている。
ある実験では、男女の顔写真が描かれたフタを用意し男性のフタの下にはエサを用意した。すると数回で顔を認識し位置を変えても的確に男性のフタを選ぶのが確認された。
杉田教授の研究によると、カラスの体重あたりの脳の割合は1.4%。
犬や猫が0.6%、馬が0.05%程なのに対して、カラスは人間の1.8%に非常に近い数値だ。

これにより、カラスは高度な知能を持ち、限りなく人間に近い頭脳を持った動物といえる。
おたる水族館ではグッズ販売も
カラスが度々現れるおたる水族館では、こうした現象を逆手に取り、2023年にカラスをモチーフにしたグッズを発売した。

飼育員がカラス対策に追われているうちに、次第に愛着がわき、商品化に至ったようだ。
この夏休み、おたる水族館を訪れ、話題のカラスに会ってみるのはいかがだろうか。