連日の猛暑で熱中症の危険が高まる中、熱中症の疑いによる救急搬送が増加している。救急隊員たちは住民の命を守るため、昼夜を問わず出動を続けている。最前線で奔走する愛媛・今治市消防救急隊の1日に密着した。
深夜でも鳴り止まぬ救急要請
7月31日午後0時半過ぎ、今治市消防本部に1本の電話が入った。70代女性の熱中症を疑う症状の通報だ。ふらつきや倦怠感もあるようだ。
通報を受け、救急隊があわただしく現場へ向かい、迅速な対応で女性を無事に病院へ搬送した。
連日の猛暑で、7月28日には西条市の路上で女性が倒れているのが発見され、その後死亡が確認された。死因は熱中症だった。
危険な暑さから住民の命を守るため対応に追われているのが消防の救急隊員。今治市消防本部でも四国地方の梅雨明けが発表された7月19日以降、熱中症の疑いでの救急搬送が増加している。
7月30日時点ですでに74人が熱中症の疑いで搬送されていて、2023年と比べ29人増加している。
迅速な判断とドクターヘリとの連携
先ほどの70代女性の搬送から2時間経った午後3時過ぎに、再び熱中症疑いの出動要請が入った。
今度は1人暮らしの高齢女性が意識のない状態で発見されたという。心肺停止の可能性もあり、隊員たちは緊張感を高めながら現場へ急行した。
現場到着後、救急隊は女性の状態を素早く確認。呼吸はあるものの意識がない状況を見て、医師による処置が必要と判断し、ドクターヘリを要請した。
20分後、愛媛・松山市からドクターヘリで到着した医師が救急車内で応急処置を行い、女性は今治市内の病院へ搬送された。
熱中症との闘い 予防と対策は
今治市消防本部中央消防署の萬上一也救急係長は、「高温環境になりますとどうしても熱中症にかかりやすい。予防方法は涼しいところにまずは体を置くこと」だと話す。
また、早期対応が一番重要になるといい、「こまめな水分補給が必要だと思います。予防方法とし水分をとってから就寝されるとか、そういうことを気をつけていただけたら安心かなと思います」と熱中症の予防を呼びかける。
8月中旬にかけて気温が平年より高くなる見込みだ。
猛暑日が当たり前のように続く恐れがある中、私たち一人一人が改めて暑さへの警戒を強めることが重要だ。
(テレビ愛媛)