7月27日、パキスタンにある世界第2の高峰K2(8611メートル)で滑落・遭難した長野県富士見町出身の登山家の平出和也さん(45)と奈良県出身の中島健郎さん(39)について、所属先の石井スポーツは7月30日、救助活動の打ち切りを決定したと発表した。
ご家族の同意のもと救助活動を終了
同社によると、平出さんと中島さんは7月27日、K2西壁の標高7000メートル付近を登はん中に滑落した。
2人の所属先の石井スポーツは「大変残念ながら、ご家族の同意のもと救助活動を終了することを、本日(日本時間7月30日14時)決定しました」と発表した。
この記事の画像(4枚)同社によると、27日にヘリコプターによる救助が行われ、パイロットが2人の位置を確認しているが、現場にヘリが着陸できなかった。
二重遭難が発生する可能性
27日の滑落時点から2人に動きがないこと、上部に大きなセラック(亀裂)があり崩落の危険性も高く二重遭難も発生する可能性があること、また、地上からも近づけず救助活動が継続できないと判断したためとしている。
2人は「ピオレドール賞」受賞
K2はエベレストに次ぐ世界第二の高峰で、その急峻な地形や厳しい気象から「登頂は世界一難しい」ともされている。これまで多くの登山家の命を奪ってきたことで知られ、舞台や小説、映画の題材にもなってきた。
今回、平出さんと中島さんは未踏の西壁ルートに挑んでいた。 2人は日本を代表する登山家として知られ、世界的に活躍する登山家に贈られる「ピオレドール賞」を受賞している。
(長野放送)