山形・真室川町の小学生が6月26日、地域の宝「中村湿原」で自然観察会を行った。子どもたちが一番楽しみにしていたのは、日本一小さいトンボ「ハッチョウトンボ」だ。

多様な生き物たちが生息する「中村湿原」

真室川あさひ小学校では毎年、3年生が古里への愛着を育む観察学習を行っている。

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約1500年前の大規模な地滑りで形作られたという中村湿原は“希少種の宝庫”で、こんこんと湧き出る清らかな水が、トキソウやサギソウといった野草を育み、多様な生き物たちも生息するようになった。

湧き水が野草を育み、多様な生き物たちが生息する「中村湿原」
湧き水が野草を育み、多様な生き物たちが生息する「中村湿原」

運が良ければ、絶滅が危惧されているモリアオガエルを見ることもできる。

年々減少…守るためには

この時期の主役は「ハッチョウトンボ」だ。鮮やかな赤色がオス、しま模様がメス。体長は国内最小で2cmほどしかない。

豊かな自然の象徴のような存在だが、数は年々減っている。

中村湿原を守る会・会長の高橋喜久美さんによると、昔はあちこちにいたというハッチョウトンボだが、「ちょっとした環境の変化ですめなくなる」のだという。

湿原を守るには「やぶにしないこと」「適度な水辺を保つこと」。そうすれば、50年後も100年後もハッチョウトンボを見ることができると高橋さんは話す。

観察を終え、子どもたちの考え方に変化

高橋さんたち「守る会」は遊歩道の整備などを通して、生き物たちが暮らす環境を守ってきた。

子どもたちからは「観察していろんなことを発見したら多くの人に伝えて、小さな虫たちの命を守っていきたい」「湿原をきれいなまま、ずっと残していきたい」といった声が聞かれるほど有意義な観察学習となったようだ。

子どもたちは、この日学んだことを学級新聞にまとめ、校内で発表することにしている。

(さくらんぼテレビ)

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