イギリス・ウィリアム皇太子の妻・キャサリン妃が3月のがん公表後、半年ぶりに公務に参加し、チャールズ国王の誕生日を祝う公式行事で集まった多くの人に笑顔で手を振った。
「父の日」にイギリス王室が写真を公開
日本同様「父の日」だった16日、イギリス王室が1枚の写真を公開した。

ウィリアム皇太子と3人の子どもたちが砂浜で海を見ている写真。
この写真は、ウィリアム皇太子の妻・キャサリン妃が5月に撮影したものだという。
キャサリン妃(2024年3月):
1月にロンドンで腹部の大手術を受けました。手術は成功しましたが、手術後の検査でがんが見つかりました。
2024年3月、自身ががんであることを公表したキャサリン妃。
その後も公の場に姿を見せることはなかった。
キャサリン妃の半年ぶりの公務に大きな歓声と祝福
しかし日本時間の15日、キャサリン妃は約半年ぶりに公務に参加し、チャールズ国王の誕生日を祝う公式行事でバッキンガム宮殿のバルコニーに立って、集まった多くの人に笑顔で手を振った。

リボンがついた白のドレスにツバの広い帽子をかぶったキャサリン妃。
これに先立ち行われたパレードにも、子どもたちと馬車に乗って参加した。
沿道に集まった多くの市民からは、大きな歓声と祝福を受けた。

キャサリン妃を見た人:
彼女は元気そうだし、とてもきれいだ。
表に出てきたことは勇敢なこと。彼女はみんなの励みになっている。

元気そうな表情を見せていたキャサリン妃だが、祝賀行事への参加を明らかにしたのは行事の前日、14日の夕方のことだった。
その際、新たな写真とともにメッセージを寄せた。

キャサリン妃:
順調に回復していますが、化学療法を受けている人なら誰でも分かるように、良い日と悪い日があります。治療は継続中で、あと数カ月続く予定です。
前日夕方のぎりぎりのパレード参加発表
2023年のクリスマス以来となる公務に臨んだキャサリン妃。
その舞台裏では何があったのだろうか。
半年ぶりの公務の舞台裏について、フジテレビ・立石修取材センター室長と見ていく。
ーー公務への参加前日発表ということだったが、これは珍しいことなのか?
極めて異例のことと言える。
イギリス王室は情報公開が進んでいて、自らのウェブサイトやインスタグラム、Xなどで参加メンバーなど、セレモニーの詳細を基本的には発表している。
しかし今回のキャサリン妃の参加については、14日の午後6時まで発表がなく、ぎりぎりの発表となったため、現地メディアでもどうなるか、予想がまったくついていなかった。

ーーそんな中、なぜキャサリン妃はその参加というのを決めたのか?
コメントが発表されている。
パレード参加を発表する際に、「化学療法を受けている人なら誰でもわかると思いますが、調子のいい日もあれば悪い日もある。しかし体調のいい日は元気でいることを最大限に楽しみたい」というふうにコメントしていて、今回の決断に至った心境を話している。
今回は、王室の医療チームと、何よりもキャサリン妃ご本人のぎりぎりの決断だったと思われる。
キャサリン妃ががんを公表したのは3月22日だが、化学療法はイギリス王室などによると、すでに2月下旬から始まっていて、まもなく4カ月になろうとしている。
専門家などによると、この化学療法は健康な細胞にもダメージを与えてしまうため、嘔吐(おうと)や疲労感などを感じることがあり、キャサリン妃と医療チームは体調を慎重に管理して見極めたうえでの判断であったかと思われる。
「治療は継続中であと数カ月続く予定」
ーー調子の良い日と悪い日があるというコメントだったが、治療はどのぐらい進んでいるのか?
がんの種類や進行度を表すステージ分類は明らかにはされていないが、キャサリン妃自身は「私の治療は継続中で、あと数カ月続く予定です」とコメントしている。この化学療法の期間がどれぐらいになるかについては患者の体調によりさまざまだという。
キャサリン妃がバッキンガム宮殿に姿を見せた時の姿だが、最初見た時はやせられたかなという印象を持ったが、2023年にがんを公表する前の最後の公務となった12月25日のクリスマスミサの時の様子と比較してみると、それほど変わっていないようにも見える。セレモニー自体での笑顔も非常に多く、安心感を与えるような内容だった。子どもたちも非常に幸せそうにしていて、温かい雰囲気も伝わってきた。
ーー今後の公務はどうなっていくのか?
体調を見ながら慎重に判断していくことになるかとは思うが、18日から予定されている「ロイヤルアスコット競馬」というイギリス王室が主催する大変華やかな競馬大会があるが、これには欠席するとみられていて、万全ではないようだ。だが、キャサリン妃自身は非常に公務に対する責任感の強い方なので、夏の間にはいくつかの公の行事に参加したいと話している。
(「イット!」6月17日放送より)