■「私はやっていません。私は犯人ではありません」無罪主張

2018年、大阪府羽曳野市で男性を刃物で刺して殺害した罪に問われている男の裁判員裁判が始まり、男は「私はやっていません。私は犯人ではありません」と無罪を主張した。

異例ともいえる3カ月以上に及ぶ裁判員裁判の背景に一体、何があるのだろうか。

【動画】「近隣トラブル」で男性を殺害した罪に問われている男 「私は犯人ではない」初公判で無罪主張

■逮捕されたのは被害者が訪れていた知人女性宅の隣に住んでいた男

現場検証の様子
現場検証の様子
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10日、大阪地方裁判所で行われた初公判で、無罪を主張した山本孝被告(48)。 山本被告は6年前、羽曳野市の路上で会社員の平山喬司さんを刃物で刺して殺害した罪に問われている。

平山さんの死因は、背中を刃物で一突きされたことによる出血性ショックだったが、凶器や目撃者は見つからず捜査は難航。

そして、事件から4年後、逮捕されたのは当時、平山さんがたびたび訪れていた知人女性の自宅の隣に住んでいた山本被告だった。

■「証拠なんてやってもないから出るわけない」これまで一貫して無罪主張

山本被告が隣人女性と植木鉢の置き方などを巡って度々トラブルになり平山さんが仲介に入っていたことや、防犯カメラに映っていた不審な男の特徴などから捜査線上には、早くから山本被告が浮上していた。

一方、山本被告は当初から一貫して無実を主張している。

逮捕前の山本被告(2018年5月): 証拠なんてやってもないから出るわけない。

■「ドラレコの映像から身体的特徴が一致。被告が犯人である」と検察側 「被告が犯人であるという痕跡はなく、直接証拠がない」と弁護側は無罪主張

事件から6年。6月10日にようやく始まった裁判で検察側は、「被告人は平山さんの知人と植木鉢を巡ってトラブルがあり、犯行動機がある。またドライブレコーダーの映像から、犯人と身体的特徴が一致することから、被告人が犯人である。被告人は犯行前に被害者を監視していて、被害者が車を降りるのに合わせて犯行に及んだ」と指摘した。

一方、弁護側は「被告人が犯人であるという痕跡はなく、直接証拠がない」と無罪を主張した。

■「検察は『決め手』がない」と弁護士 異例の長期裁判

伊賀興一弁護士
伊賀興一弁護士

裁判では、今後、捜査関係者を中心とした16人の証人尋問が予定されている。 判決は9月。異例ともいえる3カ月余りを有する裁判員裁判だ。

主任弁護人 伊賀興一弁護士:なぜそんなに長い裁判なのかといったら、我々弁護団から見たら検察は『決め手』がない。状況証拠だけ、直接証拠が全くない。

山本被告の弁護団は、犯行を証明する直接的な証拠がなく、犯行を推認させる間接的な証拠を積み重ねるため裁判が長期に及ぶと主張している。

■「当然やっていません。アリバイがないから疑われた」と被告

記者の面会に応じる山本被告
記者の面会に応じる山本被告

逮捕から2年余り。勾留されている山本被告が記者の面会に応じた。

山本被告(6月6日):当然、やっていません。(隣人や平山さんとの間で)ちょっとしたトラブルがあったけど、殺害するようなトラブルではないです。

-Q.なぜ疑われたと思いますか
山本被告:アリバイがないからです。平山さんは、タバコのポイ捨てをすることがあったので、その日も自宅の駐車場から見張っていましたが、平山さんが車から降りてこなかったので、家に帰りました。何もしないで家にいたらよかったのに…

「アリバイを証明できないことから疑われたのでは」と話す山本被告。

記者の面会に応じる山本被告
記者の面会に応じる山本被告

6年前、一体、何があったのか? 裁判で示される証拠が注目される。

(関西テレビ 2024年6月10日)

関西テレビ
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