きのう＝20日夜、神戸市中央区のマンションで24歳の女性が刺されて殺害されました。刺したとみられる男は、逃走しています。
エレベーター内を映すモニターには、被害者の女性を手にナイフを持った男が羽交い締めにする様子が映っていたということです。
20日午後7時半ごろ、神戸市中央区のマンションで「人が倒れています。血が出ています」と110番通報がありました。
駆け付けた警察と消防が確認すると、6階のエレベーター前で女性が、女性が血を流した状態で倒れていているのが見つかりました。
警察によると、女性はこの階に住む会社員・片山恵さん（24）で、上半身に複数の刺し傷が見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されました。
【マンションの住民】「エレベーターの目の前に片方の靴もありましたし、目の前が血だらけ」
■エレベーターで羽交い締め…体には「防御創」 男は逃走
当時、「キャー」というような女性の叫び声を聞いたという住人が、エレベーター内を映すモニターで事件の様子を目撃していました。
エレベーターには、片山さんと若い男が2人きりで乗っていて、男が片山さんを羽交い締めし、手にナイフのようなものを持っていたというのです。
その直後に、片山さんは刺されたとみられます。
体には、身を守る際にできる「防御創」が残されていました。
そして、エレベーター内での目撃のすぐ後には…。
【記者リポート】「男は3階から4階の階段で住民とすれ違い、その後逃走したとみられます」
男は20～30代くらいで金髪まじりの黒髪、黒色の半袖シャツ、黒色長ズボン、白い靴を履いて黒っぽいカバンを持っていたということです。
■犯人とみられる男は後をつけてオートロックすり抜けたか
現場近くの人からは不安の声が聞かれました。
【近隣住民】「夜は特に少ないと思いますね、通行している人たちは。いち早く捕まって（ほしい）。自分から（出頭に）行ってくれるのが一番助かりますね」
【現場近くの飲食店の人】「怖いなと思いました。うちもバイトの子がいてるんで、『帰り気をつけて帰れよ』って言うくらいしかできない」
捜査関係者へのその後の取材で、事件の直前、マンション周辺の防犯カメラに、犯人とみられる男が帰宅途中の片山さんの後ろを歩いている様子が映っていたことが新たにわかりました。
男はそのまま片山さんの後をつけて、マンション玄関のオートロックをすり抜けたとみられています。
警察は捜査本部を設置して、殺人事件として逃げた男の特定を急いでいます。
■元兵庫県警刑事部長「顔見知り・通り魔 両方を視野に捜査していると思う」
現在、片山さんと逃げた男の関係性についてはわかっていません。
警察によると、片山さんの後を追うようにマンションの玄関に入る男の姿が防犯カメラに映っていましたが、2人が会話する様子は確認できなかったということです。
また、片山さんから兵庫県警へのトラブル相談は一度もなかったということです。
兵庫県警で刑事部長を務めた棚瀬誠さんは、「強い恨みで何回も刺したことが考えられる」と述べつつ、「顔見知り・『通り魔』両方を視野に捜査していると思う」と指摘しました。
【元兵庫県警刑事部長 棚瀬誠さん】「犯人は凶器を準備していたことから計画性が伺えると思います。そのうえで、エレベーターが犯行場所になりますが、きわめて狭い場所を犯行場所として選んでいる。
複数の刺し傷がある。ナイフの形状や被害者の抵抗具合にもよりますが、凶器で人を刺すのは相当程度ちゅうちょします。これらからすると、計画性を持って、顔見知りが強い恨みを持って何回も刺したということが考えられます。
一方で、無差別的に通り魔的に誰でもよかったということも排除されないので、警察は顔見知りによる犯行、無差別的な通り魔、両方を視野に捜査していると思います」
捜査の進展が待たれます。
（関西テレビ「newsランナー」2025年8月21日放送）
