6月11日にサッカー日本代表がシリアと対戦。FIFAワールドカップ2026アジア2次予選の戦いに挑む。
この戦いには、6月2日に結婚を発表した堂安律(ドイツ・フライブルク所属)や久保建英(スペイン・ソシエダ所属)、第2次森保JAPANで最多の11ゴールを誇る上田綺世(オランダ・フェイエノールト所属)らが招集されている。

6日に行われたミャンマー戦は、堂安の結婚発表後初ゴールをはじめ5ゴールを挙げ日本が快勝。
次なる戦いの舞台は、11日のエディオンピースウイング広島だ。

2024年2月にオープンしたばかりのサッカー専用スタジアムで、観客席数は2万8520席、全席屋根付き。今シーズンからJ1・サンフレッチェ広島の新たな本拠地として使用されている。
その新スタジアムを佐久間みなみアナウンサーが訪れ、日本代表の森保一監督に話を聞いた。
試合直前の声掛けは「勇気とチャレンジ」
まず最初に向かったのは選手たちが使用するロッカールーム。竣工前に一度入ったことがあるという森保監督が、完成後初めて入って感じたことを口にした。
森保:
円形になっているのがすごくいいなと思います。お互いの顔を見ながらしゃべって、コミュニケーションもとりやすいですし、ここでテンション上げて試合に臨めるんだなと。

国内のスタジアムでは円形のロッカールームは多くなく、珍しい形になっている。円形であることにより、選手たちがお互いの顔を見やすくなり、よりスムーズな意思疎通ができる。
代表のチームカメラでも、森保監督が試合直前にロッカールーム内で選手たちを鼓舞する様子が映し出されている。あの時、何を意識して選手たちに声をかけているのだろうか。
森保:
相手より勝ちたいという気持ちで上回れるように声かけすることであったり、「勇気とチャレンジ」を伝えることが大きいですね。「みんな思い切って勇気を持って、ミスを恐れずにチャレンジしていこう」という声かけが多いと思います。
試合直前、力強いメッセージで選手たちをピッチに送り出す森保監督。そこには勝負に挑む者としての信念があった。
「サポーターと近く気持ちに火がつく」
続いて2人はピッチサイドへと向かう。この新スタジアムのピッチと観客席の距離は最短で8mと、迫力を間近で感じることができる。試合では森保監督の耳にもサポーターの声がよく聞こえると言う。
森保:
近いですね。気持ちに火がつくというか。ただ、悪いプレーしたときにはヤジも聞こえてくると思いますけど(笑)。でもそれはそれですごくいいと思っているんですけどね。いいプレーには拍手と称賛を。不甲斐ないプレーにはブーイングを。

サポーターの叱咤激励を歓迎する森保監督。一方、監督目線で見ているピッチはどのようなものなのだろうか。
森保:
試合までにできる準備は全てやってきているつもりなので、どういうことが起こっても受け入れられるような気持ちでここに立っていることの方が多いですね。
佐久間:
ある意味ちょっと冷静みたいな?
森保:
そっちの方が大きいかなと思いますね。上手いプレーが出たら 「うまっ!」って思いながら(笑)。「うわっ、すごっ!」って思いながら見たりとか。

ここで佐久間アナが、 “ピッチサイドの森保監督”の「あの光景」について伺ってみた。
佐久間:
森保監督と言えばメモをとられているイメージですが、どういったことを書かれていますか?
森保:
試合で起こったことですね。特に前半起こったことでハーフタイムにどう生かすかっていうことが多いので。「10分、右サイドから崩して、クロスからシュートまでいけた」とか「左サイドの守備がうまくいってない」とか書いて、やられたシーンが何回か重なるとやっぱり本当にやられている。
「たまたまの1回じゃなくて、2回、3回同じようなことを書いていたらこれはチームでの修正点だということでハーフタイムに伝えたり」

森保監督が気になったことはもちろん、コーチ陣の意見とメモを照らし合わせて"答え合わせ”をし、考えが一致すると試合の中で改善するという。この修正力こそが2022年のカタールワールドカップでドイツやスペインを撃破した要因のひとつでもある。
新スタジアムでの日本代表戦
広島で行われる日本代表戦は実に20年ぶり。
そんな広島の地で、選手としても監督としても活躍して来たのが森保一監督である。長年過ごした街、新しいスタジアムで代表戦ができる喜びをどう感じているのだろうか。
森保:
(観客には)選手が叫ぶ声とか、ぶつかった時の迫力とか、走るときのスピード感とか、パスのスピードもそうですけど、本当に選手たちの凄さも感じていただきながら、またエールを送ろう、一緒に戦うっていう気持ちになってもらえたらと思いますね。
プレーする側だけじゃなくて、見る側のサポーターとも一体となって作り上げる魅力を感じていただいて。そして、またサッカーを見ていただく機会に繋がればいいなと思います

長年、陸上トラックがある競技場で試合をしてきたサンフレッチェ広島の選手たちから、実際に新スタジアムでプレーして「サポーターの声がダイレクトに自分たちに届いて、負ける気がしない」という声を、森保監督は耳にしたそうだ。
森保:
そういう中で代表も、いつもサポーターの皆さんの力強い温かい声援を受けて試合をさせてもらってますけど、多くの皆さんにスタジアムでも、そしてテレビでも見ていただけると思うので、“新スタジアム効果”っていうところを、感じていただければと思います。

来たる6月11日はSAMURAI BLUEとシリア代表が戦う日でもあるが、実は2年後の6月11日は、FIFAワールドカップ2026が開幕する日でもある。
これまで日本サッカーに立ちはだかってきたベスト8への壁を超え、その先に進むには、日本代表に今後何が必要になってくるのだろうか。
森保:
もう2年じゃないですか。あっという間にワールドカップ開幕の日が来ると思います。ただ、ワールドカップでの高い目標は掲げていますが、今やるべきこととして、目の前の一戦一戦を勝っていく。一戦必勝でやって、その中でもチームと選手の成長があるように、トライして行くってことを忘れてはいけないと思ってます。
新スタジアムでサポーターと作られる最高の雰囲気の中、今回のシリア戦を戦い抜き、森保JAPANとしてベスト8への壁をこえる戦いが続いていく。
FIFAワールドカップ2026 アジア2次予選
日本×シリア6月11日(火)夜6時50分~
フジテレビ系列生中継https://www.fujitv.co.jp/sports/soccer/worldcup2026_2nd_q/index.html