2024年のパリオリンピックから新種目として採用され、注目を集めているダンス競技「ブレイキン」。その「ブレイキン」に挑戦する愛媛・西予市の中学生を取材した。
最大の魅力は“即興”ダンスバトル
ステップから回転技、ダイナミックなダンスを披露する宇和中学校2年生の鬼塚澪里さん。

鬼塚さんが踊るのはアメリカ・ニューヨーク生まれのダンス「ブレイキン」。
「ブレイクダンス」とも呼ばれ、ヒップホップ音楽に乗せて、体のあらゆる所を使って回ったり、跳ねたりとアクロバティックな動きを取り入れたダンスだ。

鬼塚澪里さん:
技ができるようになった時の達成感とか、音にちゃんとフリーズが決まった時とかはすごく楽しいです

鬼塚さんは2024年3月に今治で開かれた小中学生を対象にした大会「愛媛 BREAKIN'CUP 」に出場。愛媛県の内外から小中学生50人ほどがエントリーする中、準優勝するなど、今、愛媛で注目される若手選手だ。
ブレイキンの最大の魅力は1対1の即興ダンスバトル。DJが選んだ曲に合わせて「即興」のダンスを交互に見せあう「対戦型」の競技だ。

勝敗は、3人~5人の審査員が①「曲に合わせた動き」ができているか、②「技の完成度」、③「表現力」などを評価する。特に相手の動きに応えながら、「交互」に自分らしいダンスを表現することは、ブレイキンの醍醐味でもある。

鬼塚さんが得意とする技は逆立ち系の技だ。その中のひとつ「ハローバック」という技は逆立ちをした状態で体をひらがなの「くの字」にキープするのが特徴だ。
肩の柔軟性やバランス感覚を身につけなければならない。

ラビットは、名前の通り足の動きがうさぎの耳に似ていることから付いた技で、逆立ちをしながら飛び跳ねるので、筋肉のバネが必要になる。

スタジオワンダ代表・本田昂基先生:
ブレイキンで難しいとされている「エアートラックス」という技とかも最近できたりとか、技術的にも少しずつ良くなってきているかな

「新しい技とかはやっぱり何でも怖いんですけど」と話す鬼塚さん。しかし、技ができるようになると全然怖くなくなるという。
鬼塚さんは小学1年生でダンスを始め、通っていたダンススタジオにブレイキンのクラスが新設されたことで「ブレイキン」に興味を持ったようだ。

鬼塚澪里さん:
テレビで見てかっこいいなと思ってはじめました。ブレイキンは自分でやるときに技とかが自分で考えるのとかも考えやすくて踊りやすい
普段の練習は週に2~3回。この日は2歳下のチームメイト、松下仁美さんと一緒に新しい技に挑戦した。

松下仁美さん:
仲良いです。めっちゃ引っ張ってくれて、いつも一緒に踊ったりしてとっても楽しいです。くるくる回る技とか逆立ちとかめっちゃすごいなと思います
即興ダンス 曲はまさかのあの曲!?
一つ一つの技を瞬時に組み立て、個性あふれる演技を見せるブレイキンは即興力が試される。そこで鬼塚さんに即興ダンスに挑戦してもらうことに。

流れてきたのは「サザエさん」♪ まさかの曲に戸惑うも、瞬時に切り替えステップ曲調の変化にも対応しフロアを大きく使う技も入れる。

そして最後は得意の技でリズムに合わせて決めポーズ!
意外すぎる曲のチョイスに鬼塚さんは「ちょっと予想外。でも楽しく踊らせてもらいました」と笑顔で話した。
憧れのオリンピック 愛媛から世界へ
7月に開幕するパリオリンピックの新競技として、今後ますます注目される「ブレイキン」。
鬼塚さんも愛媛から世界へ、飛躍を夢見ている。

鬼塚澪里さん:
(オリンピックに対して)やっぱ憧れみたいなものはあります。まずブレイキンカップで優勝することと(国内最高峰の)JDSFという大会で本選に上がることが目標です
(テレビ愛媛)