2024年春にオープンした、デザインにこだわりが詰まったキャンプ場「メイプルビレッジ」。柱の骨組み以外は全て夫婦で創造した。夢や目標を持つことに年齢や経験は関係なく、一歩を踏み出す大切さを語る。
9年かけてキャンプ場を“自作”
2024年春、宮崎市高岡町にオープンしたキャンプ場「メイプルビレッジ」。
1日2組限定のキャンプサイトや北欧風にデザインされたおしゃれで快適なロッジ、ランチやディナーが楽しめるカフェも併設されている。
オーナーの大岐嘉二郎さんは高校・中学で教師を38年務め、2024年3月に退職。妻の美紀さんと一緒に退職する9年前から第二の人生をスタートする準備を続けてきた。
メイプルビレッジのオーナー・大岐嘉二郎さんは「ここまでやり上げたなという達成感がある」と当時を振り返った。
2015年、宮崎市高岡町に約400坪の土地を購入。草木は生えっぱなしで、プレハブと築約80年の古民家が建った荒れ地だった。仕事が休みの日に訪れては、取り壊しや整地作業を進めた。
耐震面などに配慮し、柱の骨組みのみ業者に委託。それ以外は内装から電気工事や水回り、デザインに至るまですべて2人で手がけた。
完成したキャンプ場は、初孫の名前から「楓(かえで)」の文字を取って「メイプルビレッジ」と名付け、4月13日、嘉二郎さん61歳の誕生日にオープン。嘉二郎さんの第二の人生がスタートした。
オーナー・大岐さんに直接聞いた秘話
佐土原高校産業デザイン科に28年、都城泉丘高校に6年、中学校での勤務も合わせて計38年間、教師を務めていた大岐嘉二郎さん。キャンプ場のオーナーとして第二の人生をスタートした率直な気持ちを話してくれた。
メイプルビレッジ オーナー・大岐嘉二郎さん:
毎日が楽しい。でも、学校に勤めていたときより忙しい。楽しいこと中心にしているので、苦にならない。
ーーもともとキャンプ場をオープンしたいという夢を明確に描いていた?
メイプルビレッジ オーナー・大岐嘉二郎さん:
夫婦でキャンピングカーを実際に作った。いろいろなところで「キャンピングカーを作ってほしい」と注文を受けて。「もしかしたら、退職したらキャンピングカーを製造・販売するかもね」と話していた。いろいろブレて、「キャンピングカーで泊まれる設備があるといいね」「カフェも欲しいね」ということになって。
“改装”の技術については、「佐土原高校に勤めていたときに、モノづくりに魅せられた」と話す。生徒と一緒に補講を受けて溶接について学んだり、資格を取ったそうで、「興味を持ったことを学ぶのは楽しい」と資格や技術取得時の思い出を話す。
荒れ地を整備するうえで、消防法や簡易旅館業などの勉強や許可を取らなければいけない手続きなどが多く大変だったという。
ーー10年構想のために早めに準備していて良かったことは?
メイプルビレッジ オーナー・大岐嘉二郎さん:
夫婦で話して、将来の夢を語りながらいい感じでブレていくのがよかった。やりたいことが増えていく中で、それにも対応できる時間もあった。
視聴者からのご意見『セカンドライフで挑戦したこと』
視聴者の宮崎市・はまちゃんのりさん(62)。退職後に挑戦したことは、キャンピングカーで日本一周。
定年退職2年前からネットでキャンピングカーを調べ尽くし、退職までにベストな中古のキャンピングカーを購入。退職後、2022年4月に九州一周、5月に四国一周、9~10月に本州・北海道を全県宿泊一周した。2カ月でトータル1万2778km走破。
宮崎市のツー君さん(76)は身体障害者であるが、車椅子を積み込み、念願であった車で20日間1人旅をしたという。
第二の人生、やはり何か始めてみたいという方が多い。
メイプルビレッジにも見学に訪れる方が多いそうだ。「自分もやりたいが、やっている方の姿を見て、勇気づけて自分も一歩踏み出したいと考えている方が来ているのでは?」と大岐さんは感じている。
セカンドライフについて考えている人に向けてポイントは「チャレンジすることが大事」だと話したうえで、「今、やりたいことがあるけど…」と悩んでいる人へ向けて、背中を押すメッセージを送ってくれた。
メイプルビレッジ オーナー・大岐嘉二郎さん:
メイプルビレッジにも多くの人がやってくるが、退職後に何かにチャレンジしてみたいけどあと一歩が踏み出せない…みたいな方も多い。私はある人に「人がやることは自分もできる」と教わった。プロのクオリティはなくてもある程度はできるという意味。勇気をもって、でも気楽に、程よくいい加減にチャレンジしてみると楽しい第二の人生が始まると思う。
(テレビ宮崎)