誤解なきよう言い添えておくと、「伝え方」は間違いなく重要です。
ある研究によれば、論理的に構成されたプレゼンほどコンペティションの勝率が高く、レトリックを用いたスピーチほど聴衆の理解度が高まったのだとか。
コミュニケーションにおいて、論理やレトリックが大事なのは疑いようがないでしょう。
好感度の低さ=業績の低さ
しかし、あなたのメッセージを本当に伝えたいのであれば、やはり好感度の土台は欠かせません。
せっかく話術と表現力に優れていても、好感度がないと、そのメリットを存分に活かすことができないのです。
事例を挙げましょう。
リーダーシップの研究で有名なジョセフ・フォークマンらは、約5万人のビジネスパーソンに協力を仰ぎ、「好感度が高い」と評価されたマネージャーをピックアップ。
全員の好感度レベルと業績を比べてみると、意外な結果が認められました。

・部下から「感じが悪い」「近づきにくい」と評価されたマネージャーのなかで、実際に仕事のパフォーマンスが高い人物はわずか27人だった。
・「論理的な指示ができている」「スピーチがうまい」などの能力は、好感度ほど仕事の評価とは相関しなかった。
好感度が低いマネージャーが仕事で評価される割合は、全体のたったの0・05%に過ぎませんでした。