「大谷翔平の日」をリーグ単独トップ「13号HR」で飾った大谷翔平選手。今季の打撃成績は5月19日現在「打撃7部門」でリーグトップ。その絶好調の裏には、自身の”弱点”「胸元ボール」を克服する”赤いバズーカ”の存在があったーー。

◆今季の打撃成績◆ ※日本時間5月19日現在
【本塁打13】
【安打64】
【長打30】
【ISO.311】(長打率ー打率)
【長打率】.661
【塁打】121
【OPS】1.079(出塁率+長打率)

絶好調の秘密は”赤いバズーカ”

2024年2月、キャンプ中の大谷選手の手に握られていた「謎の赤い物体」をカメラが捉えていた。

その「謎の赤い物体」をセッティングすると、それは、ボールを発射する小型バズーカのようなマシンで、大谷選手はそこから発射されるボールをひたすら打ち返していた。

練習を間近で見てきた小谷真弥記者はこう指摘する。

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野球専門メディア「フルカウント」MLB担当 小谷真弥記者:
秘密兵器みたいな感じです。
インコース高めにひたすら投げ込ませてそれを打ち返す。
窮屈そうに打っていたので、やはりそのコースっていうのを克服しようとしてるのかなっていうようなことも伝わってきました。

それは胸元に来るボールを捉えるための練習だという。

4月8日のシカゴ・カブス、今永昇太投手との対決を見てみると、第1打席と第2打席いずれも胸元のボールで打ち取っている。

試合後のインタビューで今永投手は、「とにかく質の良い真っ直ぐをどれだけ投げ込めるかだと思うんで」と”大谷対策”について振り返っていた。

野球専門メディア「フルカウント」MLB担当 小谷真弥記者:
インコース高めですね。
大谷選手にとってはそこが一番ウィークポイントであったと思うんです。

そう、大谷選手の唯一の弱点と言えるのが、内角高めの「胸元のボール」。

今季、大谷選手の打席を検証すると、確かに胸元のボールに対しては、「打率.200」とヒットを打つ比率が他のコースと比較して低いことが分かる。(データ協力:データスタジアム 日本時間18日午後8時時点)

カメラが捉えていた”赤いバズーカ”は、その「胸元のボール」を克服すべく取り組んでいた特訓の様子だった。

キャンプ時の映像をよく見ると胸元近くへのバットさばきを入念に確認しているのが分かる。

野球専門メディア「フルカウント」MLB担当 小谷真弥記者:
最初は確かに(胸元のボールを)空振りというか、ファールにしてたんで、終盤の方になったら大谷選手もそれに合わせてしっかり打ち返していたので、今思えばいい練習だったのかなと。

2戦連発8号9号は「胸元のボール」を…

やがて、その特訓が実ったと思われる瞬間が5月5日の試合の2打席目に訪れる。

相手投手は、この日も、胸元のストレートを投げ込んできた。ところが大谷選手は、それをお構いなしにフルスイングしてライトスタンドへ8号本塁打を豪快に放り込む。

野球専門メディア「フルカウント」MLB担当 小谷真弥記者:
キャンプの時からずっと意識して練習はされていたので、その成果が出た、そういったような一打なのかなと。

その試合後、大谷選手も「インサイド寄りでしたけど、反応して引っ張れたので、いい角度で上がって、ちょっと詰まってましたけど」と手応えを感じた様子で振り返っていた。

すると、その翌日にも、胸元のボールを捉えて、2戦連発となる9号本塁打をバックスクリーン方向に放った。

ドジャースの番記者、スポーツメディア「ジ・アスレチック」のファビアン・アルダヤ記者は、「対戦した投手に話を聞くと彼らは『どうにか大谷がミスをしてくれることを願うしかない』と言っています」と明かす。

弱点を克服し“さらなる進化”を遂げた大谷翔平選手の快進撃はまだまだ続く!
(「Mr.サンデー」5月19日放送より)