ゴールデンウイークに金沢から東京ディズニーランドに向かっていた高速バスが群馬県の関越自動車道で側壁に衝突し7人もの犠牲者を出した事故から2024年4月29日で12年。事故の現場近くでは祭壇が設けられ発生時刻に合わせ遺族が犠牲者を悼んだ。
関越道バス事故から12年
午前4時40分。献花台に花を添え手を合わせたのはバス事故の遺族たちだ。
事故は2012年4月29日の早朝、大型連休中に起きた。石川県から千葉県へ向かっていた高速ツアーバスが運転手の居眠り運転によって道路脇の防音壁に衝突。石川県と富山県の乗客7人が死亡、38人が重軽傷を負った。
この記事の画像(4枚)「事故が少しでも減るように」警察官になった息子
あれから12年。母・直美(なおみ)さん(当時44)を事故で亡くした山瀬俊貴(やませ・としき)さん(31)はこの事故をきっかけに群馬県警に入った。
山瀬俊貴さん:
「現場があった場所を(仕事で)通ることも多々あるが、その際に改めて自分が警察官になった理由を思い出す。この高速道路や一般道でも事故が少しでも減るような活動ができればと強く思う。何年経とうが事故によって家族が亡くなるのは辛いことだし、そういう辛い思いを少しでも無くしたいなって気持ちは強くある。」
実家が能登町の山瀬さん。実家は無事だったが復興に向けてこんな思いが…
山瀬俊貴さん:
「1人で乗り切れるってことは出来ないと思う。自分も周りの方に協力して頂いて、仕事が出来ているので、色んな人と協力しあって、元の生活が1日でも早く戻れれば良いなと思う。」
大人になった友人の思い
一方、石川県白山市の墓地では、この事故に巻き込まれて亡くなった岩上胡桃(いわかみ・くるみ)さん(当時17歳)の同級生が墓参りに訪れた。事故がなければ胡桃さんは今年30歳になる。
胡桃さんの友人 前田明香(まえだ・はるか)さん):
「12年経ったのかって気持ちです。今年も元気に健康でみんなでここに来ることが出来たよってことは伝えていて。未だに胡桃さんの笑顔とかは思い出すし、1番最後に会った日の事もすごく覚えているので。私たちも普段から運転する時や何かする時は気を付けなきゃいけないなとは思います」
この事故をきっかけに運転手の健康管理やバスの運行管理を厳格化する法改正が進んだ。しかし、大切な人を亡くした悲しみが癒えることはない。