各都道府県の持ち回りで開催され、天皇皇后両陛下も毎年観覧される国民体育大会、通称「国体」。
2024年から、国民スポーツ大会「国スポ」に名称を改め、2035年には、開催都道府県が3巡目に入る。
ところが今、その国スポ開催に見直しや大会自体の廃止を訴える声が相次いでいる。

国スポ開催のあり方にかみつく島根・丸山知事

2024年から「国体」改め、「国スポ」に名称を変えた国民スポーツ大会。
この国スポ開催のあり方に、真っ向からかみつく知事が現れた。

競技場イメージ
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「今回の2030年の国スポは、血の小便(血尿)を出してなんとかやれる」と話すのは、島根県・丸山達也知事。

島根県は2030年に大会が予定されているが、開催費用は約265億円とみられ、そのうち、国からの補助は5億円程度だという。

島根県・丸山達也知事:
(日本スポーツ協会は)王侯貴族のように自分たちで勝手に決めて都道府県にやらせる。事実上やらせるだろうと思っている、その不遜(ふそん)な考え方が本当におかしい。50年後にできると考えている人の脳みそは、小学校からやり直した方がいい。

他県からも大会の見直し、廃止を訴える声相次ぐ

三重県・一見勝之知事は「(国体というものはすでに)一定の役割を果たしたんじゃないか」と話し、また岩手県・達増拓也知事からも「今までのような形での開催は極めて困難」という。
このような異論の声は、ほかの県知事からも相次いでいる。

一見三重県知事(左)・達増岩手県知事(右)
一見三重県知事(左)・達増岩手県知事(右)

開会式には毎年、天皇皇后両陛下も出席される国スポ。
陸上やサッカーをはじめ、剣道や馬術など、多くの競技が実施される一大イベント。

しかし、選手の交通費や宿泊費などを負担するのは、開催する都道府県。
そのため、見直しや大会自体の廃止を訴える声が相次いでいる。

今回、最初に声を上げたのが、全国知事会の会長でもある宮城県の村井知事。
15日、全国の知事にアンケート調査を行い、主催の日本スポーツ協会に意見を提出する方針を示した。

開催し続けることはできるのか…廃止に反対する声も

佐賀県・山口祥義知事は「廃止という乱暴な議論ではなく、みんなで知恵を出し合う形がいいと思う」といい、廃止の声が聞かれる一方で、廃止に反対する声があるのも事実。

宮城・古川学園女子バレーボール部の岡崎典生監督は「郷土の誇りをかけて戦う、バレーボール界にとっては、(国スポは)本当に大事な大会。地方がまかないきれないとなったら、最後は国が面倒を見るべき」と話し、競技に取り組む側からも切実な声が上がっている。

政府は、持続可能な大会となるよう検討を進めたいとしているが、今の形のまま開催し続けることはできるのだろうか。
(「イット!」 4月15日放送より)

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