広島の「冬の味覚」と言えばカキだが、実は「春」まで旬が続いている。それどころか身は冬の1.5倍ほどに太り、味も濃厚。カキ生産者も「今が一番」と声をそろえる。なぜ春のカキが注目されるようになったのか?

“春にも旬” 身太りした大粒カキ

3月下旬としては珍しく、24日に広島・呉市でカキ祭りが開かれた。悪天候にもかかわらず祭りの会場はにぎわい、香ばしい磯の香りが漂っている。

カキ祭りで焼きガキをほおばる来場者
カキ祭りで焼きガキをほおばる来場者
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呉市中心部で初めて開かれた「春のカキ祭り」。冬の味覚のイメージが強いカキだが、春は産卵に向けて栄養を蓄えるため身が冬の1.5倍ほどに大きくなる。

中島水産・中島篤郎さん:
大きいでしょう。今のカキが一番おいしいですよ。時期は遅れているんですけど、その分、花見をしながらでも焼きガキを焼いてもらって

生育不良でカキ祭り中止が相次ぐ中…

今シーズンはカキの生育不良により、広島県内で少なくとも3つのカキ祭りが中止になった。

12月ごろまで気温が下がらず、海水温の冷え込みが遅れたことなどが一因とみられている。

中川水産・中川義治 社長:
生育不良でいいカキをつくるのが難しくなっているんですけど、頑張っているところ見にきてもらえたらうれしいです

旬の時期を長く楽しんでもらおうと立ち上がったのは、2月に地元でカキ祭りを開いた呉市音戸町の生産者たち。24日、呉市中心部でもカキ祭りを開催し、焼きガキなどを売り出した。
試食した五十川記者は…。

五十川裕明 記者:
身が弾けそうなほどプリプリです。2月に食べたときよりも味が濃厚になっていますね。磯の味がしっかりと身の中に詰まっています

旬は5月ごろまで続きそう

春ならではのうま味と食べ応えに、多くの家族連れは満足感たっぷりの様子だ。

カキ祭りを訪れた人:
酒がほしくなるね。おいしい。これくらいの大きさがあったら海のミルクじゃ

カキ祭りを訪れた人:
何もつけていないのに、口に入れた瞬間ジュワーっと潮の香りがしてとてもおいしかったです

生産者によると、「春のカキ」の旬は5月ごろまで続きそうだという。

中川水産・中川義治 社長:
僕たちは今の時期がおいしいのを知っていたんですけど、なかなか発信する場がなくて。今、味が濃くなってとてもおいしくなっています

一般的に市場が主導する旬は1~2月だが、生産者が考えるピークは3~4月とズレがある。冬の生育不良で旬のズレが顕著になった今シーズン。知られざる「春のカキ」の魅力に注目が集まっている。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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