目で見て天気を判断する「目視観測」が、福岡管区気象台で終了した。この観測は明治時代から130年以上にわたり続けられてきた。

桜の開花の前日に…

2024年3月27日。平年より5日遅く、前年より9日遅い桜の開花が福岡管区気象台から発表された。

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その前日の3月26日、「いよいよか」と桜の開花観測で標本木の周りが賑わう頃、気象台の屋上では職員が別の観測にあたっていた。目で見て天気を判断する「目視観測」だ。
気象台では、気象状況を知らせるために毎日、3時間ごとに目視での観測を続けていた。

福岡管区気象台 平田広大さん:
雲の形、雲の量、雲の高さ、時間によっては雲の流れですね。雲がどちらの方向に流れているかを記録しています

この目視観測は、明治時代から130年以上にわたり続けられてきた観測で、福岡管区気象台には約70年前の資料も残っている。

空模様の細かな変化や季節の変わり目を捉える役割があったが、機器による自動化が進み、この日を最後に目視観測が終わることになったのだ。

これにより、これまで雲の多さに応じて「快晴」「晴れ」「薄曇」に分けて記録していた天気は、いずれも「晴れ」に、「ひょう」などの現象は「雨」となる。

最後の目視観測 「感慨深い」

3月26日午前11時50分。職員が最後の「目視観測」に向かった。

天気や雲の量、見通しのきく距離などを目で見て観測、気象庁へ送るシステムに入力し、100年以上続く歴史に幕を閉じた。

福岡管区気象台 小栗秀之さん:
今後も目で見て、観測して、気象状況を知るというのは、重要さは変わらないんですけど、気象観測の通報の業務が終わることについては、100年以上続いたということで感慨深いものがあります

今後、東京や大阪の気象台では目視観測が継続されるが、福岡では自動化され、レーダー観測などに置き換わる。

(テレビ西日本)

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