羽田空港で日本航空の旅客機と海上保安庁の航空機が衝突し炎上した事故。年始の繁忙期を直撃した。再発防止が求められるなか、福岡空港でも、まもなく「管制」が変わろうとしている。

福岡空港に滑走路と管制塔を建設中

事故が起きた羽田空港では、機体の撤去や路面の補修などの作業は終了し、1月8日からC滑走路の運用が再開された。これにより全日空は全便の運航を再開し、日本航空でも発着便数は事故前と同じ水準に戻るという。(※1月9日現在)

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福岡空港には現在、2,800メートルの滑走路が1本ある。都心に近い空港として利用が順調に伸びる一方、混雑や遅延が課題となっているため、国は2本目の滑走路を現在の滑走路の西側に整備している。

新しい滑走路は2025年3月の完成に向けて工事が進行中で、航空機が発着できる数は現在の年間17万6,000回から18万8,000回に増える見込みとなっている。

滑走路が2本になることで、誘導路も増えることから、航空機に指示を出す管制官の見る範囲も広がることが予想されるため、管制塔も新しくなる。

川崎健太キャスター・空撮リポート:
見えてきました。現在、建設中の新しい管制塔です。そして、この辺りは高さ制限があるので、高層マンションがなく、新管制塔の高さが非常に際立ちます。

福岡空港では新しい管制塔を建設中で、現在の約3倍の高さとなる94メートルの管制塔が2024年10月末に完成する予定だ。全国でも有数の過密空港である福岡空港だが、管制塔が高くなるメリットはどこにあるのだろうか。

元航空管制官・田中秀和さん:
管制官は管制塔の中から、自分の目、目視で空港内の航空機や空港周辺を飛行するような飛行機を見渡すことができます。レーダー機器を補助的に、把握に務めるが、高い方が見渡しやすいというメリットもあると思います。

田中さんによると、誤進入を防ぐレーダーももちろん見ているが、天気が良く明るい日中であればレーダーよりも目視による確認の方が、比重が大きいというのだ。

福岡市長「事故がないように安全第一で」

滑走路1本の空港としては、国内イチの過密度の福岡空港。福岡市の高島市長は会見で―。

福岡市高島宗一郎市長(2024年1月9日記者会見):
2本の滑走路というなかで、これまでとは違うオペレーションになる、1つの滑走路を横切ることも生じてくるんだろうと想像はします。都心に近い空港でもあるので、安全対策は今回の教訓をすぐに全国の空港にフィードバックしながら、事故がないように安全第一で取り組んでいただきたい。

国土交通省は、今回の衝突事故を受けて、滑走路への誤進入を防ぐために、1月6日から羽田空港で行っている「モニターを常時監視する管制官の配置」を福岡空港など6つの空港で実施する緊急対策をまとめている。

羽田の事故を徹底的に検証した上で福岡空港での安全な運用につなげてもらいたい。

(テレビ西日本)

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