カナダ・モントリオールで行われている世界フィギュアスケート選手権。日本時間23日、女子フリーが行われ、坂本花織(23)がフリー149.67点の合計222.96点をマークし、ショート4位から逆転で「世界選手権3連覇」を達成した。

演技直後、坂本は会心の演技に感極まって天を見上げ、会場のファンは大拍手で坂本を称えた。

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この快挙に坂本は
ーーショートの悔しさをぶつけたフリーだったと思いますが、いかがでしたか?

「最初の1歩目、ジャッジさんの前で自分のエッジを踏んでコケそうになった時は、ほんとに『またか!』って思ったんですけど、でもそこからしっかり切り替えて、全部、今の自分が納得できるものができたのですごく嬉しいです」

大一番の演技冒頭に起きた、まさかのアクシデントを語った。

そこから見事に立ち直り、ほぼノーミスで滑り切った演技中のメンタルについては

ーー今日はスタンディングオベーションで観客席のリアクションもとても大きかったですが、いかがですか?

「もう3+3(3回転フリップ+3回転トゥループ)を下りた時点ですごくお客さんが沸いてたので。でもそこに自分が乗っかって『うわっ』て上がってしまうとジャンプの感覚がどっか行ってしまうので、とにかくもう3+3から最後まで、とにかく『自分落ち着け』『自分落ち着け』と思いながらやりました」

3連覇女王にふさわしい、見事な冷静さで自分をコントロールしていたことも明かした。

男子は宇野がショート首位で24日のフリーへ

こうなると、一段と注目が集まるのが男子フリーだ。世界選手権2連覇中の宇野昌磨がショートで貫録のパーフェクト演技を見せ、シーズンベスト107.72をマークし3連覇へ王手をかけている。

2位に鍵山優真、3位に“4回転の神”ことアメリカのイリア・マリニン。1位から3位までの差はわずか1.75点だ。

ショートプログラムの演技直後、宇野は僅差の戦いについてこう語った。

「ショートプログラムはすごく高い点数をいただきましたが、ほんとにシニア男子は、このショートのわずかな点差っていうのはほぼ関係ないぐらい、フリーで大きな点の変化が生まれますし、しっかり今日は喜んで、1日挟んでまたフリーに向けてどういう調整をしていくか、考えたいと思います」

ーー宇野選手の3連覇もかかりますが?
「演技する前は、優真くんの点数も見ていましたし、『世代交代か』という気持ちを思いながら見させていただいたんですけど、なんとか食いつけてよかったなって思います」

ーーフリーではどんな演技ができたら満足ですか?
「もちろんいいジャンプもいいスピンもしたいんですけど、やっぱりなんか自分の気持ちのこもった演技がしたいと思います」

坂本、宇野に共通して言えるのは、過程に一喜一憂することなく、細部にまで神経が行き渡った演技を徹する繊細さを持つこと。それでいて観客を魅了するパフォーマンスに、魂を吹き込むエネルギーをあわせ持つ点だ。

日本フィギュア界、史上初のアベック3連覇達成なるか。
世界中の視線が24日の男子フリーに注がれている。

世界フィギュアスケート選手権2024
3月24日(日)男女フリーよる7時~

フィギュアスケート取材班
フィギュアスケート取材班