自宅敷地内で、3人の女児の身体を触るなどわいせつな行為をしたとして、福井地裁は3月18日、76歳の男に懲役2年の実刑判決を言い渡した。被害女児は「死を考えた」と話すほど精神的苦痛は大きく、裁判官は「執行猶予を付けられるほど罪は軽くない」とした。

女児に抱き付きキスするなど犯行重ねる

強制わいせつの罪に問われたのは、福井・勝山市の園芸農家・玉木憲治被告(76)だ。

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玉木被告は2022年5月ごろ、自宅敷地内で県内の10歳未満の女児にキスをしたほか、2022年7月ごろにも、自宅敷地内で県内の10歳代の女児に抱き付きキスをするなどした疑いで2023年11月に逮捕された。

被害者の関係者から申告があったことから容疑が発覚した。玉木被告は容疑の一部を否認していたが、その後の捜査で、別の10歳未満の女児に対し下着の中に手を入れて触ったなどの疑いで、2023年12月に再逮捕された。

女児をおびき寄せる巧妙で卑劣な手口

福井テレビが取材を進めると、玉木被告が女児を誘う手口は巧妙で卑劣なものだった。

園芸農家の玉木被告は、自身が育てたブルーベリーやサクランボなどのフルーツ狩りの会を催し、女児たちを誘い込んでいた。

被告は小学校で「アユの食べ方教室」を開くなどしていた。
被告は小学校で「アユの食べ方教室」を開くなどしていた。

玉木被告は過去に、消防署長や地元漁協の組合長などを歴任していて、地元の名士的な存在だったという。そうした社会的な立場を背景に、地域の子供を対象に炭焼き体験会を開いたり、小学校に出向き「アユの食べ方教室」を開いたりと、度々子どもたちと接する機会を設けていたのだ。

女児「死を考えた」被告に実刑判決

2024年3月の論告で、検察は玉木被告に懲役3年6カ月を求刑した。一方の弁護側は、公判中に被告が起訴内容を認め反省していることを理由に、執行猶予付きの判決を求めた。

そして迎えた3月18日の判決公判。
法廷で徳井隆一裁判官は「自宅敷地内の農園で果物狩り等の催しを開き、自らの性的欲求の赴くままに被害女児らの性的自由を踏みにじった身勝手で悪質な犯行」と指摘した。そのうえで被害女児の一人が「死を考えた」と話したことなどから「精神的苦痛は大きく、心身の発達に及ぼす影響も計り知れない」とした。

「執行猶予を選択できるほど軽い事案ではない」として、実刑判決が言い渡された。
「執行猶予を選択できるほど軽い事案ではない」として、実刑判決が言い渡された。

さらに「被告はわいせつ行為が発覚しながらも犯行を重ねていたことから、執行猶予を選択できるほど軽い事案ではない」として、懲役3年6カ月の求刑に対し、懲役2年の実刑判決を言い渡した。

玉木被告がすでに妻と離婚するなど社会的制裁を受けていること、息子が法廷で玉木被告の監督を誓約したことが刑期の判断に至ったとも説明した。

玉木被告は、うなだれた様子で裁判官の言葉に耳を傾けていた。

(福井テレビ)

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