福岡市の中学校で願書提出期限を誤り、生徒3人が志望高校の試験を受けられなくなった問題で、高校側は3月中旬に受験機会を提供した。福岡県教育委員会は2026年度からWeb上での願書提出と電子決済導入の方針を決定した。

学校側の対応が不誠実と批判

福岡市の博多女子中学校が高校受験の願書の提出期限を勘違いし、生徒3人が試験を受けることができなかった問題で、古賀市にある古賀竟成館高校側が、3月中旬に受験機会を設けていたことがわかった。

この記事の画像(11枚)

実際に生徒3人が受験したかについては、公表を控えるとしている。この問題について、改めて経緯を振り返っていく。

博多女子中学校では入学願書を学校側が生徒の志願先ごとにとりまとめ、教員が手分けして高校に持参することになっていた。この3人が進学を希望していたのは古賀竟成館高校で願書提出期限は2月16日の正午だった。

しかし、担当教員は県立高の期限である2月20日正午と混同し、本来の期限の2時間遅れで3人の願書を高校に持参。高校側は「提出期限を過ぎた」と、願書の受け取りを拒否した。

中学校の校長は「生徒のミスではないので…」と交渉したが、高校は「公正公平を徹底するため例外は認めない」として、再度拒否し、結局、3人の生徒は、2月22日に行われた一般入試を受験できなかった。

今回の出願ミスで学校側から和解金として30万円、さらに、この学校が第一志望だった女子生徒には和解金50万円の提案があったことがフジテレビの取材でわかっている。ただ、被害者うちの1人の両親はミス発覚後の学校側の対応が不誠実だと批判していたという。

ネット上でも、「生徒や両親のことを考えると本当にいたたまれない」「和解金が少なすぎる」と言った声のほか、「生徒に非はないんから高校は特例措置をとってほしい」など、生徒に対しての同情の声だけでなく、受験の機会を設ける意見が多数あった。

「追選抜」規定で受験

そして、19日新たにわかったこととして、古賀竟成館高校を運営する古賀高等学校組合は、事故や病気などで受験できなかった生徒を救済する「追選抜」規定を使って、3月中旬に受験機会を設けていたということだった。

ただ、実際に生徒3人が受験したかについては公表を控えるとしているが、保護者の1人は取材に対し、「この高校は受験せずに、別の進学先に進むことにした。学校側にもっと早く対応してもらえばよかった」とコメントしている。

今回の問題を受け、出し忘れのミスに加えて、学校側の負担が大きいということで願書提出の制度が変わった。

福岡県教育委員会は、2026年度から受験生や保護者がWeb上で願書を作成し提出できるようにする方針を決めた。また、ウェブ上での出願に加えて、受験料に対し、24時間支払いが可能な電子決済を導入する方針という事だ。
(「イット!」 3月19日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(11枚)