石川の加賀温泉を舞台に製作された映画「レディ加賀」。北陸新幹線開業を控え、この映画の「タップダンス」シーンを再現し開業日を盛り上げようと、女性たち約40人が集まった。
「タップダンス」で石川・加賀をPR
加賀温泉を舞台に製作された映画「レディ加賀」の劇中で、小芝風花さん演じる温泉旅館の新米女将たちが披露したのは、靴で床を踏み鳴らしながら踊る「タップダンス」。

発起人・唐谷好二さん:
こちらのストーリーを実際に実現できたらすごい加賀のPRになるんじゃないかなと

この映画のシーンを再現しようと始まったのが、タップダンスプロジェクト。2023年12月、加賀市や小松市などから年齢もバラバラの女性約40人が集まった。
目標は、3カ月後に迫る北陸新幹線の開業日をタップダンスのステージで盛り上げること。
参加者のほとんどはタップダンス未経験。その中に、最高齢74歳の宮永久美子さんの姿があった。

宮永久美子さん:
ついていくのが大変です。なんかズダンダダンズダンダダンって…靴自体がすごく硬くてびっくりしました。スキー靴かスケート靴履いている感覚です
レディ加賀たちの挑戦が始まった。
きっかけは友人 自宅で個人練習も
宮永さんの自宅を訪ねると、じゅうたんの上に四角い床板があった。

「これで家で練習できるよ」と教わり、早速ニトリへ行って買ってきたそうだ。この床板の前に姿鏡を置き、ダンスの練習を行っているという。
毎週日曜日の全体練習についていくため、個人練習を欠かさない宮永さん。始めたきっかけは、募集を見つけた友人に誘われたことだった。

宮永久美子さん:
ただとりあえず見に行ってみようと思って行ったんですよ。音楽もすごい早いし、できるかなって言って…曲を聴くのが割と好きで、聞いてるだけでも楽しかったし、なんとか続いて

元々、小中学校の音楽教師だった宮永さん。ベネズエラの日本人学校に渡り、教鞭(きょうべん)を取ったこともある。そんな音楽好きが高じて魅了されたのが、タップダンスだった。
宮永久美子さん:
できるところすごい増えたから、すごい満足で出たがりになってしまいました

本番まで1カ月を切り、行われた全体練習。着物の衣装を身にまとい、本番のフォーメーションで曲を合わせる。映画を再現するため、ステッキに見立てたデッキブラシも用意した。

講師・清水奈芳美さん:
みなさんすごい熱心で練習一生懸命やってくれるので、私が思っているよりもだいぶいい感じに出来上がってると思います

全体練習を終えた宮永さんは「やっとなんとなくついてきてます」と練習の成果がでていることを実感していた。さらに、参加している子どもたちに教えてもらっているとのことで、その成果も現れ、ダンスの上達が進んでいるようだった。
被災者へ「タップダンス」を披露
3月10日、宮永さんたちが訪れたのは加賀市山代温泉の旅館。ここで行われていたのは、地震で能登から2次避難した被災者への炊き出しだ。被災者を元気づけようと、目の前でタイをさばいて刺し身を提供するなど、さまざまな催しが行われた。

そして、宮永さんたちも被災者の前でタップダンスを披露した。

観客を前に、3カ月にわたる練習の成果を披露すると、観客は「元気出た!ただ最後に涙出たけど」、「こういうの見たことないもんですから面白かったです。良かったです」と話し、笑顔がみられた。

宮永久美子さん:
ちょっとウルっとなりました。拍手をたくさんいただいたので、その拍手で私はすごく喜んでもらえたんだなということを感じました。(Q:本番どんなステージにしたい?)もうとにかくやったことをそのまま音楽に合わせて踊り切る、楽しむ。楽しみたいと思います!
新幹線の県内全線開業日は3月16日。宮永さんたちタップダンスチームのステージに注目だ。
(石川テレビ)