3月8日は国際女性デー。女性の生き方を考える一環として、愛媛・松山のおいしい名物「ひぎりやき」がかわいらしいグッズになった話題をお伝えする。SNSで話題になり、店頭では売り切れ続出の人気商品に。その秘密に迫る。

松山のソウルフードをグッズに

ほっかほかであたりに漂う甘い香り。
大判焼き、今川焼、太鼓まんなど、地域によってさまざまな呼び方で親しまれているが、松山では「ひぎりやき」を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。

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愛媛県松山市の「ひぎりやき澤井本舗」は、大正初期に誕生して以来、「ひぎりやき」は100年以上、松山で親しまれてきた。

店で炊きあげた北海道産の小豆をたっぷりと乗せ、生地を重ねる。最後に「日切焼」の焼き印を押したら、松山のソウルフードの完成だ。

鈴木瑠梨アナウンサー:
うーん、これこれ!サクふわの生地と、甘いあんこ、これぞ松山市民の味ですよね。

食べ始めたら手が止まらなくなるひぎりやき。

鈴木瑠梨アナウンサー:
じゃあもう一つ、と行きたいところなんですが、実はこれ、本物ではなく、ひぎりやきのグッズなんです。

思わず食べてしまいたくなる本物そっくりのこちらはなんと、ひぎりやきのペーパーウェイト。本物と比べてみても、あんこの一粒一粒まで再現されている。
他にも、ストラップやキーホルダーをはじめ、ブローチに指輪、そして、イヤリングにヘアピンなど、アクセサリーなども揃っており、全身ひぎりやきコーデも実現できる。

2023年11月に販売を始めると、SNSなどで反響があり、店頭に出すとすぐに売り切れてしまう人気商品だという。

「愛でたい」一言がきっかけで開発

このグッズを開発し、制作しているのは、澤井本舗取締役の澤井美優さん、24歳だ。

素材は、水に強く壊れにくい樹脂粘土を使っている。
小豆の断面をつくる作業では、生地の気泡の感じや小豆の違いを出すよう心がけているそうだ。

ひぎりやき 澤井本舗・澤井美優取締役:
愛でるような気持ちですると上手くいくので、そこを意識してますね。

特にこだわっているのが真ん中の焼き印部分。

ひぎりやき 澤井本舗・澤井美優取締役:
日切焼って焼き印を押すんですけど、その時に本物ってジュッてすると真ん中が少しへこんだりするんですよ。そこのへこみを再現することで、ただのお饅頭なのかひぎりやきなのか決まるので。

「ひぎりやき」と同じように、一つ一つ丁寧に作るひぎりやきグッズ。開発のきっかけは、若い販売員のある一言だった。

ひぎりやき 澤井本舗・澤井美優取締役:
「愛でたい」っていう、「推しだから」みたいなことを言ってくれて。ひぎりやきを焼く中でおうちにも持って帰りたいなって大切にしたいなって。

小学生の時に「ひぎりやき」の油絵を

幼いころからものづくりや絵を描くことが好きだったという美優さん。小学四年生のときには、ひぎりやき愛溢れる油絵を描き上げた。

美術大学の東京造形大学を卒業後に帰郷し、店舗の2階で絵画教室を始めた。

ひぎりやき 澤井本舗・澤井美優取締役:
ほかのデザイナーさんの下でお仕事するっていうよりは、自分で何かできることないかなっていうところでまず帰郷しました。

グッズはすべてデザインから手がけ、一つ一つ、わが子のような存在だという。この取り組みに美優さんの父でもある澤井社長はも太鼓判。

ひぎりやき 澤井本舗・澤井善一郎代表取締役:
わが娘ながら新しい取り組みで、自分には感性としてないですね。親が言うのもあれですけど、よくできていると思うので美味しそうと感じて見ていただきたいなと思います。

今回、グッズを販売したことで美優さんは「ひぎりやきの魅力」を再認識したという。

ひぎりやき 澤井本舗・澤井美優取締役:
想像以上にひぎりやきっていうのは大切で、唯一無二のことなんだなっていうのは、ファンの方たちが購入される姿を見て感じました。ありがたいです。身に着けてもらう、そばにおいてもらうことで、ひぎりやきを思い出してもらうようなきっかけになればいいかなと思います。ちょっと今日寒いからこのストラップのひぎりやき買いにいこうかなみたいな。

若者の声をきっかけに新たな感性で生まれ変わった松山の名物。
“食べておいしい!着けてかわいい!”美優さんによって新たな魅力が引き出された名物・ひぎりやきはこれからも愛され続ける。

(テレビ愛媛)

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