2月16日。私立博多女子中学校で、公立高校入試の願書を担当職員の“勘違い”により、学校側が期限内に提出せず、生徒3人が志望校を受験できなかったことが明らかになりました。

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学校側:
出願期間は、2月16日正午まででした。しかし、期日を混同したことによる“勘違い”のため、16日金曜日の午後2時ごろ出願に参りましたが、締め切り時間が過ぎていたため、受領していただけませんでした。

3月2日に開かれた保護者説明会では、学校側のあってはならない“ミス”に、怒りに震える保護者らの姿が。

保護者A:
こうやって大人の都合で子供たちがつらい思いをして、嫌な気持ちを持って卒業することは堪えがたくて。

保護者B:
生徒たちがどんな思いでここに入ってきているかということも、やっぱり忘れないでいただきたい。

その中で、ひときわ大きな声で詰め寄る男性。男性の娘A子さんは、出願ミスにより第一志望の高校を受験することができなかったといいます。

A子さんの父親:
うちは第一志望のないまま 宙ぶらりんで、娘がどんな気持ちかって。
子供の3年間、学費も返せよ、塾費も返せよ。何のためにお宅の学校に通わせたんかって!
一生懸命、塾も送り迎えもして…。

学校側:
本当に重大な取り返しがつかないことが起こってしまっております。それについては本当に、学校長として本当に申し訳ないと思っております。

説明会の中では、救済方法について和解金も提示されましたが、保護者らの怒りは収まりません。

A子さんの父:
被害者に対して、「30万円以上払う気はないそれが誠意です、終わりです」言っとんでしょう?違うんですか、どうなんですか?

保護者C:
付属の高校進学についても提案があったと思うんですけれども、3年間学費免除とかいう提案とかも検討されていたのでしょうか?

娘は言葉を失いぼう然と「かける言葉がなかった」

「めざまし8」はA子さんの両親に、改めて今の思いを聞きました。

A子さんの両親
A子さんの両親

A子さんの母:
担任の先生から携帯電話の方に電話がかかってきました。近くに娘がいるかどうかの確認をされて、できればいないところでゆっくり話したいと言われて。「結論から言うと第一志望の高校は受験することができません。申し訳ございません」。頭の整理も感情もついて行かない状態で、「お子さんにはどう伝えますか?」って言われたんで、「ちょっと私には伝えることができないので、主人と相談させてください」と。

学校側から保護者にミスが伝えられたのは、2月16日の夕方。
A子さんにとって、志望していた公立高校は、“唯一の志望校”だったといいます。

A子さんの母:
自分なりにインターネットを通じて調べたり、ホームページを見たりとかしていたので、自分の選んだ学校で新しい学校生活を送りたいっていう希望を持って、望んでいた学校だと思います。本当にここに行くために、公立の願書はここ一つに絞って出したことなので。過去問をずっと解いていた。

「受験できない」という現実は、試験日の3日前に父から告げました。

A子さんの父:
言った時は本当、顔を見たら「何を言ってるの?」っていう顔で、本人はそこでもう黙って、時が止まったようになって、自分の部屋にそのまま行ったっていう感じなんですよね。もう、その後の言葉も…かける言葉がなかったです。

そして、両親が最も不信感を抱いているのが、ミス発覚後の学校側の対応だといいます。

A子さんの父:
まあ本当ミスが起こったのはもう本当に…、その後の対応を、私は言っているんですよね。前向きにいろんな提案があって、こうしていこうというのも全くない中で、こちらはお金が欲しいわけじゃないのに、「親御さんの気持ちを”補償”っていう形で誠意を見せたい」という“言葉”はずっとありますけど。それが結果、形になって出てきたのが、ありえない金額で解決しようとしているなと思って。

保護者会終了後、めざまし8の取材に対し、学校側は以下の通りコメントしました。

【私立博多女子中学校】
今回は経過説明と謝罪、今後の対応についてお話をしました。
今の時点では、保護者の方に満足のいく説明をできていないことは事実です。今後については、個別に対応して検討を進めていきます。
(めざまし8 3月4日放送)