かじって切り倒した木を利用して、ダムや巣をつくるという、ビーバーの興味深い生態を紹介した話を小学校の国語で学んだ人もいるのではないだろうか。

今、あのビーバーがかじって切り倒した木が販売されていると、SNSのXで話題になっている。

ビーバーがかじった木を持って
ビーバーがかじった木を持って
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現在アメリカビーバーが齧った木を販売してます。
ビーバーが一本一本丹精込めて、歯作りしてます。
これを持って歩けば目立つこと間違いなし!!
一本2000円。

投稿をしたのは、長崎・西海市にある動植物園「長崎バイオパーク」。投稿には、木をかじるビーバーの動画と、ビーバーのかじった丸太を持った人の写真が添えられている。

ビーバーの歯の跡が残っている
ビーバーの歯の跡が残っている

ビーバーがかじった丸太の先端は独特のタッチがあり、彫刻作品のように見えなくもない。

木をかじるビーバー
木をかじるビーバー

動画には「ゴリッゴリッゴリッ」とリズミカルに音を立てながら、一生懸命に木をかじるビーバーの姿が。

カメラ目線になるビーバー
カメラ目線になるビーバー

最後には、振り向いてカメラ目線の決め顔も見せた。そして顔には、たくさんの木クズがついていた。

投稿を見た人たちからは、「いいな…玄関にほしい…」「ビーバーさんの『私が作りました』顔よw」「手作りでなくて歯作り(笑)」「親方達が齧る音が聞こえてきそうです」などのコメントが寄せられ、2万7000のいいねが付いている(2月29日現在)。

かじり跡を見て“これは売れる”

ビーバーが丹精してつくった“作品”だが、売れ行きはどうなのか。そしてなぜ、ビーバーのかじった木を売ろうと思ったのか。長崎バイオパークの担当者に聞いた。


――なぜビーバーがかじった木を販売しようと思ったの?

かじった木を毎日見ていて、かじり跡が芸術的だなと思い、これは売れるんじゃないかと思ったのがきっかけでした。


――売れ行きはどう?

売れています。問い合わせなども増えています。


――購入した人はどのように利用しているの?

多くの人は飾って観賞用にしてるようです。

かじった木の横に立つビーバー
かじった木の横に立つビーバー

――写真では先端がとがるようにかじられているけれど、みんなこんな形になるの?

みんなこんな感じになります。かじっていく上で効率が良く、構造上こうなっていくみたいです

木をかじる様子を見られるかも

――ビーバーは木をかじって何をしようとしているの?

樹皮を食べたり、床材にしたり、巣にしたり、ダムに活用したり、いろんなものに使います。

ビーバーの生活に木は欠かせない
ビーバーの生活に木は欠かせない

――この木はどこの木?

園内に生えている木を切って、展示場に植えています。

1日1~3本くらいの“作品”ができる
1日1~3本くらいの“作品”ができる

――1日何本くらい“作品”ができるの?

太い木だったら1本、細めだったら3本くらいです。


――ビーバーが木をかじっている姿は見られるの?

基本毎日木を植えているので、日中時間が合えば見られます。

なおパークのビーバーは野生とは異なり、木はかじるものの巣作りには使わないのだそう。そのため木がたまっていき、かじり倒した木の下(根元)の部分も含め今までは捨てていた。今回、これを商品にしたという。

長崎バイオパークには現在6頭のアメリカビーバーがいるそうで、運が良ければ木をかじる姿が見られるという。もし、気に入った“作品”があればお土産にするのもいいかもしれない。

(画像提供:長崎バイオパーク)

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。