宝塚歌劇団宙組(そらぐみ)所属の女性劇団員死亡問題で、遺族側の代理人が会見を行った。
劇団側は、一部でパワハラがあったことを認め、謝罪する意向を遺族側に伝えたということだが、遺族側代理人は、ハラスメントだと主張している行為のすべてについて劇団側が認めているわけではないとして、このような状況での合意は到底受け入れることはできないと主張している。
遺族側代理人が4回目の面会交渉について会見
宝塚歌劇団宙組に所属する劇団員の女性(当時25)が死亡した問題で、遺族側は、4回目の面会交渉について、会見を行った。

これまで遺族側は、執拗(しつよう)な叱責(しっせき)や罵倒など、パワハラがあったと劇団側に認めるよう求めていた。
27日、遺族側が午後4時から4回目の面会交渉について会見を行った。
劇団側がパワハラにあたる不適切な言動があったことを認めるかが焦点となっていた。

このニュースについて、フジテレビ・上法玄解説委員がお伝えする。
── 遺族側の会見は、どのような内容だったのだろうか?
劇団側は、遺族側がハラスメントだとしている15項目の行為のうち、多くが職場におけるハラスメントと規定した厚労省指針に該当することを認め、これらの行為により、女性に多大な心理的負荷を与えたことを認めた。
また経営者の怠慢、現場の活動への無理解や無配慮によって、長年にわたり劇団員にさまざまな負担を強いるような運営を劇団が続けていたことが、かかる事態を引き起こしたものであって、すべての責任が劇団にあることを認めて謝罪するという姿勢を見せたという。
2023年9月に劇団員が死亡して以降、パワハラと死亡の因果関係などをめぐって、歌劇団側と遺族側との間で、長く食い違いがあった。
そのような中、26日に歌劇団を運営する親会社の会長が、理事を退任する方針を固めた。
そして、歌劇団は一部でパワハラがあったことを一転して認め、謝罪する意向を遺族側に伝えたというニュースがあった。
具体的にどのパワハラ行為を劇団側が認めているか不明
── 遺族側は上級生からの暴言やLINEでのハラスメント、ヘアアイロンでのやけどなどを訴えていたが、具体的にどのようなパワハラ行為について劇団側が認めているか、明らかになっているのだろうか?

遺族側が主張している15項目のハラスメントのうち、多くのものが厚労省の指針に該当していると明かしているが、具体的にどの行為について劇団側が認めたのかは、現時点ではわかっていない。
遺族の代理人弁護士は、ハラスメントだと主張している行為のすべてについて劇団側が認めているわけではないとして、このような状況での合意は到底受け入れることはできないと主張している。
詳細を明かせないまでも、一転してパワハラを一部認めたというのは、上級生などの聞き取りが進んでいったからだと思われる。
── 今後もそのような検証は行われていくのだろうか?
引き続き内部での調査が進んでいくことで、劇団側が全面的にハラスメントを認めるかが焦点となる。
(「イット!」 2月27日放送より)