JRA(日本中央競馬会)の名調教師だった男性が、競走馬として活躍し、引退したウマと触れあえる場所として、2023年に「珠洲ホースパーク」をオープンした。しかし能登半島地震で建物が損壊。ウマは無事だったが、営業再開の見通しは立っていない。
それでも前を向こうとする元調教師の男性を取材した。
道路はひび割れ建物も損壊
JRAの元調教師・角居勝彦さんが、競技を引退したウマにのんびりと余生を過ごしてもらいたいとオープンした観光施設「珠洲ホースパーク」。ここでは元々、競馬などで活躍したサラブレッドのウマ5頭が、広さ約1万平方メートルの敷地で飼われている。

しかし、能登半島地震で施設内の道路はひび割れ、建物にも大きな被害が出た。

珠洲ホースパーク・角居勝彦さん:
動物を取り扱うときに排せつ物が出てしまうので、ここに入れて堆肥に変わるまで待つ場所。その屋根が崩れてしまった。
観光客を再び受け入れる見通しは立たない。角居さんは「観光で呼べる状態ではないし、施設の修理もあるし、ゼロというかマイナス。どこまでマイナスが続くかという怖さはある」と肩を落とす。
ウマも復興のお手伝い
スタッフは住む場所を失い、県外に一時的に帰省させている。ウマの世話をしてもらうボランティアの宿泊施設もなく、人手不足の状態が続いている。

そこで、ウマにも復興のお手伝いをしてもらおうと、リアカーをつけて、災害ゴミを運ぶ訓練をすることに。ウマも復興支援を後押しする。

珠洲ホースパーク・角居勝彦さん:
ふるさとのために頑張りたいという気持ちを呼び起こす、なにか一つの役割になってくれたらありがたい。
角居さんは、「ウマの姿が被災した子どもたちに勇気を与え、癒やされることにつながれば」と話している。
(石川テレビ)