能登半島地震で線路などに被害を受け運休していた「のと鉄道」が、2月15日から一部区間で運行を再開した。4月上旬には穴水駅までの全線復旧を目指しているのと鉄道。営業再開を待ちわびる女性の思いを取材した。
“桜が咲き誇る名所”の駅も被害
春になると桜が咲き誇り、観光名所の一つとなっている能登鹿島駅。

「能登さくら駅」の愛称で地元に親しまれている。
しかし、そんな駅も地震で大きな被害を受けた。

駅周辺の様子について「このへんはまだ復旧していなくて、割れ割れで…。向こう側もバリバリ。危ない状態なので」と語るのは、近所にすむ佐藤まゆみさんだ。

佐藤さんは、桜の時期が終わっても能登鹿島駅を楽しめる場所にしようと、10年前から花を植えてきた。

手作りの妖精「トントゥ」の人形も設置されていたが、地震で倒れてしまっていた。

佐藤まゆみさん:
みんなで木を切って絵を描いて、けっこう苦労したんです。ちょうど飾ったところだったんです。「春にはみんなびっくりするよね」と話していたんですけど、春に皆さん、どれだけ来てくださるか…
営業再開を待つ女性「ここは忘れてほしくない場所」
佐藤さんと一緒に花を育てていた「桜娘ズ。」のメンバーたちも町外に避難している。

佐藤まゆみさん:
前の(2007年)能登半島地震の時に、桜が全く咲かなかったんですよ。やっぱり桜って悲しんでいるんだねと。だから今年は何とか頑張ってほしいなと思って、つぼみを待ち望んでいるんですけど…
誰もいなくなった駅にさみしさを募らせながら、佐藤さんは一人、春を待つ。

佐藤さんは「やっぱりここは忘れてほしくない場所ですし、みんなに来てほしい場所。私たちは私たちなりで、様子を見に来てくれる方がいたら、お花でも植えてお迎えしようかなと思っています」と語っていた。
(石川テレビ)