サッポロビールとアサヒビールは、アルコール度数8%以上の「ストロング系」缶酎ハイの新発売を停止する方針を決めた。
健康志向の高まりや、適正な飲酒の啓発が理由だ。
ストロング系の酎ハイ市場は近年減少傾向にあり、2020年から2023年にかけて販売額が減少していた。

ストロング系が縮小傾向に

アルコール度数が8%以上のいわゆる「ストロング系」酎ハイの発売を縮小する動きが出ている。

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サッポロビールとアサヒビールは、アルコール度数が8%以上の缶酎ハイを、今後新たに発売しない方針を固めた。

健康志向の高まりや、適正な飲酒の啓発のためとしている。

業界全体でも「ストロング系」の酎ハイ市場は近年、減少傾向だという。

ストロング系のお酒は、一般的にアルコール度数8%以上の缶酎ハイを指すが、今、撤退の動きが相次いでいる。

ストロング系のお酒が人気の理由としては、「短時間でサクッと、値段が安くてすぐ酔えるのがいい」などといった声がある。

ストロング系のお酒は、2000年代後半に誕生。
シニア層やビール離れが進む若者から人気を集めて、2020年には酎ハイ市場の約4割ほどを占めるまでになった。

ただ、その後は縮小傾向となり、2020年に1776億円だった販売額は、2023年には1365億円まで減少した。

市場アナリストの木地利光さんによると、「コロナ禍で健康志向が高まったことや、テレワークでちょっと飲んだあとに仕事や家事をする人が増え、高アルコール度数を敬遠する流れがあるのではないか」としている。

「おいしさを重視する傾向」

また最近では、あえてお酒を飲まない「ソバーキュリアス」というライフスタイルも広がっているが、アルコール市場も変わっていくのだろうか。

民間調査のデータでは、飲酒の頻度として「お酒を飲まない」という人の割合は年々増加している。
しかし、缶酎ハイ市場そのものは拡大していて、5~7%の缶酎ハイやハイボールの販売額は2020年は2367億円だが、2023年には3282億円と大きく増加している。

市場アナリストの木地利光さんは、「自分にあったお酒を選びたいという人が多いので、度数の強さではなくて、おいしさを重視する傾向が続く」と、缶酎ハイだけでなく、ウイスキーやリキュールを含めて、自分好みにアレンジできるお酒がはやるのではと語っていた。
(「イット!」 2月14日放送より)

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