中国では10日から春節の大型連休が始まった。中国最北端にある黒竜江省のハルビン市では「氷雪祭り」が行われ、今年の旅行客は例年の14倍にもなるという。人気の理由には、「SNS映え」やハルビン市の「手厚いもてなし」があるようだ。

極寒の「氷雪祭り」に殺到

世界三大雪まつりの一つ、「氷雪祭り」。現地の気温はマイナス10度と非常に寒いが、会場には多くの人が訪れている。

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この「ハルビン氷祭り」は1985年から始まり、2024年で25回目になる。2024年は特に人気スポットになっていて、旅行客が例年の14倍にもなるという。

一番の人気の理由は「SNS映え」だ。

聖ソフィア大聖堂でコスプレをする人
聖ソフィア大聖堂でコスプレをする人

ハルビン市で有名な観光スポットの一つであるロシア建築の聖ソフィア大聖堂では、多くの観光客がいたが、その中で一番目立っていたのはコスプレをした人たち。多くの写真を撮り、自らのSNSに投稿していた。

氷祭りの会場で、一番人気のスポットは、最長521mの氷の滑り台。最大で6時間待ちになる時もあったというが、実際に滑った人たちがSNSに投稿し、それを見た人が「自分も乗りたい!」と訪れる連鎖が起きている。人口14億人といわれる中国では、SNSで拡散するとこれだけの集客につながるようだ。

「手厚いおもてなし」もSNSで拡散

一方、大量の観光客の受け入れ体制は大丈夫なのだろうか。

ハルビン市では、中国の他の都市では見られない「手厚いおもてなし」が行われている。

至る所に無料休憩所を設置したり、市内の階段や坂道には専用のカーペットを敷いて転びにくいようにしたりなど、細かな気配りがされている。このような「おもてなし」もSNSで拡散され、さらに人が集まるという好循環になっている。

中国ではコロナが最近再流行しているというが、日本と同様、今コロナを気にして行動制限する人は中国にほとんどいない。

また、春節前後の移動人数が過去最多となっているのは、自家用車の移動をカウントするなど、算出方法が変わったことも理由の一つだ。中国政府は、経済的な不安を払拭するためのアピールとして、この数字を使っている可能性もある。
(「イット!」 2月9日放送より)

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