北海道・知床の羅臼沖で流氷に閉じ込められたシャチの群れ。

一夜明けた2月7日、その姿は忽然と消えた。

いったい何があったのだろうか?

流氷に閉じ込められたシャチの群れ

流氷に覆われた海面の隙間から、息継ぎをするように顔を出すシャチの群れ。

提供:川端隆さん
提供:川端隆さん
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2月6日、知床の羅臼町の沖合1kmほどの場所で撮影された。

町によると、少なくとも13頭ほどの群れで、中には子どもの姿も確認されている。

地元のカメラマンによると、今回のシャチは毎日のように羅臼沖に姿を現わしていた個体ではないかという。

「観光船のすぐそばで並走して、かわいいもんだ。群れの中で赤ちゃんが何頭かいて、必死になって親が水路をあけようと氷を押している。血を出して一生懸命やってる姿を見ると、本当に涙が出るほどだ」(地元のカメラマン 川端隆さん)

海が流氷で覆われているため、町などはシャチを救助することができず状況を見守っていた。

シャチの群れ 一体どこへ消えたのか

そして、一夜明けた7日。

6日夕方までは陸上からもシャチの群れを確認することができたが、7日朝には姿が見えなくなった。

羅臼沖でシャチが流氷に閉じ込められたのは、今回が初めてではない。

過去にも流氷に閉じ込められた例が

2005年2月には12頭ほどが流氷のため身動きが取れなくなり、翌日に9頭の死骸が見つかった。

今回のシャチの群れは一体どうなってしまったのだろうか?

「シャチが確認された海域から北の方は、流氷がゆるく開けたような場所も点々とあった。うまく脱出できていればと思う」(羅臼町産業創生課 白栁正隆さん)

海保によると、5日から羅臼沖に流氷が入り始め、6日は海が一面流氷で覆われていた。

しかし、町によると7日になって流氷の間に切れ目が入ってきたという。

シャチの行方について専門家は。

「シャチは10~15分くらい呼吸を止めて移動することができる。このあたりの水深は200~300m。海面の開けた場所まで十分逃げられるし、逃げていてほしい」(東海大学 生物学部 北 夕紀 准教授)

北海道文化放送
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