冬の味覚の代表的な存在、カキ。たっぷりと栄養を蓄えた肉厚の実が濃厚な味わいとなり、まさに今、旬を迎えている。
その生産量で日本一を誇る広島県で、今シーズンある異変が…。全国の出荷にも影響を与える危機的状況となっている。

出荷数激減で人気イベントも中止に

広島県廿日市市で、毎年行われる宮島かき祭り。

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約4万人が訪れるという大人気イベントだが、開催が来週に迫る中、中止が発表された。
その理由はカキの生育不良。
出荷数が激減し、祭りに必要な数が確保できなかった。

取材班は、広島県内の生産業者を訪ねた。

マルケン水産代表 野村憲二さん:
みんな、殻が成長せんのうってていう話は、顔を見るためには言ってました。
通常は15cmある。今年はこっちの方。成長あんまりしてない、10cmない。商売上がったりよ!

生産者によると、広島県では去年から降水量が少なく、水不足となっている。
蓄えるべき栄養が、川から十分に海へ届かないことが要因と話す。

さらに、今シーズンは温暖化などの影響で海水の温度が下がらなかったため、カキが栄養を蓄えようとせずに、身が大きくならなかったという。

その影響は、都内の牡蠣を扱う店にも。

広島県産のカキを扱うこちらの店では、通常サイズが出回っていないことから、やむなく小さいサイズのカキを提供しているという。

雑草庵 店長・松原直人さん:
一番大きいサイズを入れてたんですけど、それより少し下のサイズしか今は出回ってないんですよね。なるべく価格の維持はしていきたいところなんですけど、ちょっと難しい問題もあって。

生産者によると、先月からの寒波の影響で海が冷たくなり、来月以降、美味しいカキが食べられるのではと話している。
(「イット!」 2月2日放送より)