能登半島地震から2月1日で、1カ月が経過した。

これまでに石川県内で亡くなった人は238人、安否がわからない人は19人。復旧作業が進む一方、いまだ広い範囲で断水が続き、1万5,000人近くが避難生活を送っている。

238人死亡・19人安否不明 1万4632人が避難生活 4万戸余り断水状態

2024年の元日午後4時10分、石川・輪島市と志賀町で震度7の地震が発生。

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珠洲市や能登町などでは津波が複数回にわたって押し寄せたほか、輪島市の朝市通りでは、約200棟が焼失する火災が起きた。

石川県内では、1月31日までに災害関連死も含め238人の死亡が確認されたほか、輪島市市ノ瀬町などで土砂崩れが起き、19人の安否がいまだにわかっていない。

また、4万6,000軒余りの住宅が全壊・半壊するなどの被害を受け、1万4,632人が避難生活を送っている。

県内の停電は、立ち入りが困難な地域を除いておおむね解消するなど、インフラの整備が進む一方で、奥能登と呼ばれる輪島市・珠洲市・穴水町・能登町では、ほぼ全域で断水が続いていて、県内全体で4万戸余りが断水状態となっている。

「発災から時が止まったまま…」土砂崩れに巻き込まれた男性の捜索続く

捜索現場となっている石川・輪島市から、FNN取材団・杉山真一記者がお伝えする。

輪島市では朝から冷たい雨が降り続き、雨脚が徐々に強くなっている。

輪島市市ノ瀬町では、地震により大規模な土砂災害が発生し、複数の住宅が巻き込まれた。

この地区で暮らし、今も安否がわかっていない瓦屋根職人の垣地英次さん(56)が土砂崩れに巻き込まれたとみられ、1日は午前8時ごろから消防や警察など、総勢120人態勢で捜索が始まっている。

掘り進めていくことで土砂が崩れる危険性があるため、1日は手で掘るのはやめて、重機だけで掘り進める作業に切り替えた。また、この先にある土砂ダムが決壊するリスクもあり、川の水量を監視しながら捜索活動が行われている。

1月31日、現場を訪れた垣地さんの兄は、「地震発生から1カ月になるが、自分にとっては発災から時が止まったままだ。弟が見つかるまでは1カ月たってもその気持ちは変わらないと思う」と話してくれた。

徐々に雨脚も強くなる中、懸命な捜索活動は1日も続いている。

石川・珠洲市の避難所では新たな課題も

石川・珠洲市にある正院小学校から、FNN取材団・岡崎宣彰記者が中継でお伝えする。

避難所となっている正院小学校では、支援物資がたくさん届いているのがわかる。

一時は、約500人が身を寄せたこちらの避難所だが、現在残っているのは100人程度ということで、発災から1カ月がたち、新たな課題もみえてきた。

避難者
1カ月後、また1カ月後を考えると、どうしたらいいかわからない。

避難所運営を行う濱木満喜さん:
若い方が少ないので、1人の方がいろんな役割を5つも6つも抱えながら、みなさん苦労しておられます。

若い世代が2次避難所などに移り、一次避難所に残されたのは高齢者が多く、炊き出しや掃除など、避難所運営に必要な人手が足りなくなってきている。

また、発災から1カ月がたつと、被災した人と支援者などの間に連帯感が生まれる状態「ハネムーン期」から、やり場のない不満や怒りがあふれる「幻滅期」に入ると言われている。

高齢化と人手不足、そしてストレスなどに配慮した避難所運営を続けていくための、ふみ込んだ支援が求められている。
(「Live News days」2月1日放送より)

<フジネットワーク サザエさん募金>能登半島地震救援

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