能登半島地震から4週間。大きな被害を受けた石川・輪島市では、妻と娘を亡くした男性が倒壊した自宅で思い出の品を探していた。

「パパ、水ちょうだいって何回も…」

輪島市河井町で家族の遺品を探すのは、楠健二さん(55)。

「女房と昔、ディズニーランド行ったときに買ったやつがあった」倒壊した家屋の中からぬいぐるみを見つけた楠さん
「女房と昔、ディズニーランド行ったときに買ったやつがあった」倒壊した家屋の中からぬいぐるみを見つけた楠さん
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楠健二さん:
女房と昔、ディズニーランド行ったときに買ったやつがあったんだけど。これミニーちゃんだよね。(リボンを)取るとミッキーだよね。

1月1日、楠さんは妻の由香利さん(当時48)と長女の珠蘭(じゅら)さん(当時19)、次男(21)と次女(18)の5人で自宅にいた。

隣にあった7階建てビルが倒れ、自宅兼店舗は押しつぶされた
隣にあった7階建てビルが倒れ、自宅兼店舗は押しつぶされた

そこへ地震が発生し、隣にあった7階建てビルが倒れ、自宅兼店舗は押しつぶされた。

「俺自体も気が動転してたから。まず誰か呼ばなければならないって頭しかなかった」
「俺自体も気が動転してたから。まず誰か呼ばなければならないって頭しかなかった」

楠健二さん:
「パパ、水ちょうだい」って何回も言われたんだけど、俺自体も気が動転してたから。まず誰か呼ばなければならないって頭しかなかったから。あとあと考えれば、いろんなことできたのかなって思ったけど。ビルさえなければね。それだけが悔しいね。ほんとに悔しいよ。

亡くなった長女の珠蘭さんは、5日が20歳の誕生日だった。

楠さんは現在、神奈川県に身を寄せているが、家族の思い出の品を探すため、倒壊した建物に通い続けるという。
(「イット!」1月29日放送)

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