能登半島地震で大きな被害が出た富山県で、家屋の被害状況などの調査に当たっている福島県の職員たち。東日本大震災で被災したとき、富山県からの応援が復興の力になったという。「13年前の恩返しを」震災で生まれた強い絆が被災地の力となっている。
被災地再建へ派遣された職員たち

能登半島地震で家屋に大きな被害が出た氷見市。
発生から10日余りが経った1月12日。
り災証明書の発行に向けた家屋の被害認定調査が行われていた。

ふくしま災害時相互応援チーム 箭内良次さん:
「速やかにり災証明書の交付につなげることが、被災者が1日も早い生活再建につながるものと考えているので全力で調査にあたりたい」
調査チームの中に、福島県から派遣された職員の姿があった。
氷見市には、福島県の職員が最大で43人滞在し、り災証明書の発行に必要な家屋の被害認定調査にあたっている。
り災証明書は、自然災害などの被災者が火災保険の請求や支援制度を利用する際に必要となるもので調査は家屋の外壁や基礎など内閣府が定めるチェック項目にそって建物の外から損壊の程度を確認する。
1チーム3人で行われる調査。福島県の職員は、東日本大震災から復興する中で培ったノウハウを生かし、力を発揮している。

ふくしま災害時相互応援チーム 半澤雅則さん:
「避難されている方や被災された方が今1番大変なので何とか手助けできればなと」
「13年前の恩返し」を胸に
2011年3月。未曾有の被害をもたらした東日本大震災。福島県では、震度6強を観測した。
今回、氷見市に応援に駆けつけた半澤雅則さんも震災を経験した。
ふくしま災害時相互応援チーム 半澤雅則さん:
「私はもともと福島市にいたので家屋などには大きな被害はなかった。親せきが原発による避難で全域避難になってしまったので別の市町村に(今も)住んでいる人もいる」
当時、復興の力になろうと富山県から職員やボランティアが福島に応援に向かい、氷見市の職員も被災地で活動した。
ふくしま災害時相互応援チーム 半澤雅則さん:
「東日本大震災の時に多くの富山県の方に福島県の人が助けていただいた。富山県や氷見市の復旧・復興に少しでも尽力できればと考えている」

13年前の「恩返し」。
半澤さんは、その思いを胸に調査にあたっていた。
‟強い絆”で復興へ
ふくしま災害時相互応援チーム 半澤雅則さん:
「東日本大震災で困った方がたくさんいた時も地域住民の方々と話をしながらいろいろとやってきたので少しでも話し相手になって不安を取り除ければそれが1番いいかなと」

氷見市職員 洲崎孝次さん:
「市職員の数は足りてませんので応援に来ていただいたのは大変ありがたいと思う。感じたのは組織として成り立っていて、チームとして入ってこられているので、氷見市全体も混乱している中で陣頭指揮していただけるのが非常に助かっている」
震災という辛い経験で繋がる被災地の人たち。
苦境にあっても、復興に向け、強い絆で結ばれている。

ふくしま災害時相互応援チーム 半澤雅則さん:
「自分の家で過ごせるのが1番大事かなと思っているので、一生懸命調査しているので少しでも早くできれば。避難されている方被災されている方を1日でも早く安心できるようにお手伝いできれば…」
(富山テレビ)