JAXAは25日、日本初の月面着陸に成功した無人探査機「SLIM」に搭載された月面探査機が撮影した月の表面の写真を公開した。

この写真を撮影した月面探査機LEV-2(愛称「SORA-Q」)は、おもちゃメーカーであるタカラトミーが開発に参加している。正確にはJAXA、タカラトミー、ソニーグループ、同志社大学の4者による共同開発だ。

「SORA-Q」の使命は、月面の低重力環境下における超小型ロボットの探査技術を実証すること。JAXAの小型月着陸実証機SLIMに搭載されて月へと打ち上げられ、SLIMがメインエンジンを停止して自然落下するとき「SORA-Q」が月面へと放出される。
「SORA-Q」は最初、直径約8cm・重さ約250gの野球のボールのような球体だが、月面に着地すると、球体の外殻が左右に広がり変形。カメラ2台を搭載した「頭部」と尻尾のようなスタビライザーを伸ばし、外殻を車輪として回転させることで、月面を移動する。

JAXAによると、「SORA-Q」は、月面に着陸したSLIMの撮影に成功。これにより、「SORA-Q」は一緒に月面に放出された、超小型月面探査ローバ「LEV-1」と共に、日本初の月面探査ロボットになった。

さらに、世界初の完全自律ロボットによる月面探査、世界初の複数ロボットによる同時月面探査を達成。さらに、「SORA-Q」は世界最小・最軽量の月面探査ロボットとなったという。