JR仙台駅東口で約20年にわたって営業を続けてきた映画館「チネ・ラヴィータ」が、今年3月末で、閉館することが決まった。再開発が進む仙台駅東口で、多くの人に愛されてきた映画館。惜しまれながらも幕を閉じ、今後は、運営会社があわせて経営している映画館に営業を集約し、サービスを向上させる方針だ。

仙台駅東口唯一の映画館 20年の歴史に幕 

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 去年6月に家電量販店「ヨドバシカメラ」などが入る「ヨドバシ仙台第1ビル」がオープンするなど、再開発が進むJR仙台駅東口を出てすぐ。商業施設「BiVi(ビビ)仙台駅東口」の2階にあるのが、映画館「チネ・ラヴィータ」

 2004年に閉館した「シネアート」を引き継ぐ形でJR仙台駅東口にオープンし、2009年にその建物の取り壊しが決まった際に、今の場所に移転した。

 当初は大作映画などを上映していたが、2016年にJR仙台駅西口にシネコンのTOHOシネマズ仙台がオープンしたこともあり、近年はアート系やドキュメンタリーの映画を中心に上映し「ミニシアター」として人気を博した。

 スクリーンの数は3つ。規模は大きくないながらも、仙台駅東口にある唯一の映画館で
近年は年間8万人ほど訪れ、多くの人に愛されてきた。そんな「チネ・ラヴィータ」だが、運営会社は、賃貸借契約の満了に伴い、今年3月末をもって閉館することを決めた。

「マイルームみたいな感じ」 溢れる惜しむ声 

 閉館が公式に発表されたのは、1月22日。この日も多くのファンがこの映画館を訪れていた。

 突然の閉館発表に驚きつつも、利用していた客からは、「ちょっとした仕事のストレスとか、気分転換したいときに簡単にフラッと来られる感じだったので、ちょっとがっくりします」「マイルームみたいな感じだから、来てスタッフの方とおしゃべりしたり、映画館のお得意さんとおしゃべりしたりとか、マイルームみたいな、そんな映画館でした。だからここがなくなるのはすごく寂しい」と、閉館を惜しむ声が聞かれた。

営業集約しサービス向上へ

 運営会社は、仙台駅から地下鉄で5分ほどの場所にある「フォーラム仙台」も運営していて、今後は、営業を集約することで、よりサービスを向上させたいという。また、集約に伴い、「フォーラム仙台」では、新たに飲食物の販売なども始める予定だ。

 運営会社は「長年にわたり皆様からご支援を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。引き続き、仙台市内にて良質な映画を多数上映してまいります。今後とも変わらぬご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます」とコメントしている。

(仙台放送)

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