北海道函館市の人気ハンバーガーといえば「ラッキーピエロ」を思い浮かべる人も多いのでは。

その函館市でグルメバーガーの新しい風が吹き始めている。

37年前から営業を続ける大人気店「ラッキーピエロ」

多くの観光客で賑わう函館市。

1番人気は「チャイニーズチキンバーガー」だ。

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甘辛に仕上げた鶏のから揚げをはさんだバーガーは単品で462円、セットで968円。

「週3、来るよね。安くておいしくて、量も結構多いので」(高校生)

「身近な感じしますよね。いつでも寄れば食べられる」(北斗市から)

「チャイニーズチキンバーガーを食べました。来たら毎回、大体これかな」(東京から帰省)

“大人気店”の目と鼻の先に“新店”が登場

絶大な人気を誇るラッキーピエロ。

その目と鼻の先には地元のハンバーガー店も。

いま函館市では、意外な食材やこだわりの手法で作られたハンバーガーも登場している。

2023年11月にオープンしたアメリカン・グルメバーガーショップ「MILL BROWN(ミル・ブラウン)」。

一番人気のラッキーピエロから数十メートル先に店を構えたのだが、なぜこの場所を選んだのか。

「函館ではハンバーガー店が並んでいる立地があまりない。良い意味で大手と比較対象になれるので、この場所を選んだ」(MILL BROWN 後藤 公平さん)

甘み×酸味のバーガー

白を基調とした店内にはアメリカンなグッズが並ぶ。

アメリカへのこだわりはハンバーガーにも込められている。

「短期間ではあるんですけどアメリカにいたことがあって、味付けとか勉強して、アメリカンチェリージャムとクリームチーズの組み合わせを持ち込んできた」(後藤さん)

アメリカに短期留学していた後藤公平さんは、札幌市の有名ハンバーガー店で腕を磨き、函館市で店を持った。

後藤さんが作るハンバーガーはこだわり満載。

野菜は北海道産のレタスやトマトなどを使い、アメリカのハンバーガーでは定番のクリームチーズ。

そして自家製のアメリカンチェリーのジャムをたっぷりとかけ、パン職人と共同開発したというバンズにはさんだら「キングタビーチェリーバーガー」の完成。

牛肉のパティ+チェリージャム+クリームチーズという足し算は、口の中で甘さと酸味のかけ算に変わり、絶妙なバランスだ。

「函館はハンバーガーの街になりつつある。僕らみたいなジャンルがあるぞという、文化の底上げをしたい」(後藤さん)

ハンバーガー×和食の融合も

和食をハンバーガーに取り入れた店もある。

函館山の麓にある「FINE DAY'S BURGER」だ。

オーナーの中澤元気さんは、東京のハンバーガーショップや函館市の精肉店で働いた経験を生かし2018年に店をオープンした。

「うちの(一部の)ハンバーガーはアメリカのジャンクなハンバーガーではなくて、日本風のハンバーガー。変わったものを作りたいと思いついた」(FINE DAY'S BURGER 中澤さん)

日本風のハンバーガーの隠し味に使っているのは「のりの佃煮」。

アボカドとの相性が抜群だという。

「普通だとアボカドチーズが一般的なメニューなんですけど、岩のりの風味とかを加えたら、もっとおいしくなるんじゃないかなと思ってやったら、すごい相性が良くて」(中澤さん)

ブロック肉の仕込みは3時間

アンガス牛の肩ロースをブロックで調達。

「ハンドチョップパティ」と呼ばれる手法でブロック肉を包丁でカットして、パティを作っていく。

「これをこういうふうに(丸めて)パティにしていく。サイコロステーキの集合体みたいな感じ」(中澤さん)

約10キロのブロック肉を細かくするのに3時間はかかるという。

余分な筋や脂などを取り除いていく、手間がかかる作業だ。

「一般的なハンバーガー店だとお肉屋さんにただひき肉にしてもらって、それをもらって自分たちでこねるだけなので、これはすごい労力がかかる」(中澤さん)

パティに焼き目がついたら、産地を厳選して取り寄せたレタスとトマトに、隠し味の「のりの佃煮」とアボカドを乗せて完成したのが「ジャパニーズアボカドバーガー」。

時間をかけて作られた存在感あるパティの上には特製のワサビじょうゆマヨネーズも。

佃煮のほのかな磯の香りも食欲をそそる。

「変わり種で作ったハンバーガーだが、うちの1番人気のメニューになりつつある。口を豪快に開けて、ガブっとかぶりついてほしい」(中澤さん)

今後はますますグルメバーガーにかぶりつく人の姿が増えていきそうだ。

北海道文化放送
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