甚大な被害が出ている能登半島地震を含め、日本では近年、震度7を観測する地震が頻発している。今後も南海トラフ地震などの大地震が起こるとされている。大地震への警戒や備えは?専門家に聞いた。

頻発する震度7の大地震の特徴

1995年の阪神・淡路大震災。巨大な津波が街を飲み込んだ東日本大震災。2度の大きな揺れでシンボルの城も崩壊した熊本地震…。

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阪神・淡路大震災以降、日本で震度7を観測した地震は能登半島地震で7回目、近年、日本各地で大地震が頻発している。

元日に発生した能登半島地震では、石川県内でこれまでに死者200人以上、約2万3,000人が避難生活を強いられ日常の生活が奪われた。(2024年1月12日時点)

地震はいつどこで起きるかわからない。愛媛で想定される地震、そしてその備えについて地盤工学の専門家である愛媛大学防災情報研究センターのバンダリ・ネトラ・プラカシュセンター長に聞いた。

今の日本列島の状態は「こちらはフィリピン海プレート、こちらは太平洋プレートである。この2つの押し込みでひずんでいるので、地震が起きている」と話す。

日本列島はフィリピン海プレートと太平洋プレートの沈み込みで収縮している状態だという。

今回の能登半島地震の特徴は、断層破壊による直下型の地震だという。

バンダリ・ネトラ・プラカシュ センター長:
一般的に言うと直下型、あるいは断層破壊ということで、内陸型と言えるような地震である。プレート境界型、あるいは海溝型という、津波の発生するような地震ではなかったが、海にある断層なので今回津波が発生してしまったところだ。

地震の揺れや津波、地盤の液状化などで総合的な被害が出た。

能登半島地震と同じような地震が…

今後30年以内に70~80%の確率で起きるとされている南海トラフ地震はフィリピン海プレートの沈み込みで発生する。この地震への影響は…。

バンダリ・ネトラ・プラカシュ センター長:
直接影響はないと言いたいが、一応南海トラフや太平洋プレートの動きからそういう断層が生まれているので、全くないわけではない。

また愛媛を貫いているのは世界最大級の活断層帯だ。バンダリ・ネトラ・プラカシュセンター長は、大地震が起きる可能性を指摘する。

バンダリ・ネトラ・プラカシュ センター長:
こちらが中央構造線断層帯。この断層の部分が地震が起きやすいところになっている。(この中央構造線で断層破壊が起きると)今回の能登半島地震と同じような直下型地震が起きる可能性がある。

この断層帯を震源に想定されるのはM7クラスの地震で、発生する確率は100年以内で2~3%とされている。

バンダリ・ネトラ・プラカシュ センター長:
地震工学の分野ではこの2~3%という確率は非常に高いと言われている

耐震化だけでなく棚など家具の固定も

愛媛県内だと、特にどこに影響が出てくるのは「今、一番懸念されているのは石鎚山付近から松山市の砥部断層あたりが動く可能性が高いということだ」だという。

突然私たちを襲うかもしれない大地震。今、私たちができる備えとは…。

バンダリ・ネトラ・プラカシュ センター長:
今回の能登半島地震の教訓でいえば、建物の倒壊がたくさんあったことは、耐震性の低い建物、木造住宅が多かったからだ。例えば自分の建物、家で30年、35年経っているものは、何かの形で耐震補強しないといけない。それから地震の保険も必ず加入しておかないといけないというのが基本だと思う。

また、家自体の耐震化だけでなく、棚など家具の固定をしておくことも重要だ。
少なくとも3日分できれば一週間分の食料や水などの避難グッズを準備しておくことが重要と呼びかける。

バンダリ・ネトラ・プラカシュ センター長:
災害が起きていないという安心感ではなく、災害はいつ起きてもおかしくないという警戒感を持って自分ができること、少なくとも防災訓練などに参加して、防災、災害について学ぶことが重要だ。

(テレビ愛媛)

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