能登半島地震で震度5弱を観測した石川・内灘町では、いたるところで液状化による被害が出ている。被害の全容はわかっておらず、専門家は、条件が一致すればこうした被害は全国でも起こりうると指摘している。

土台部分が割れ、すき間から泥水が…
FNNが新たに入手したのは、発災時の石川・内灘町の住宅を映した映像。

揺れが激しくなるとともに建物の土台部分が割れ、よく見るとそのすき間から泥水が流れ出してくるのが分かる。さらに周辺では、空き家となり水気のないはずの建物の中から外へと、泥水があふれ出す映像も撮影されていた。
被災した氏家隆さん:
(地面が)波打って、止まった瞬間にこう水がザーって出てきたんです。

町内ではいたる所で、電柱が沈み込んで倒れ、道路がでこぼこになるなど、様々な液状化の被害が出ている。しかし、住民からはこういう話が聞かれた。

被災者(80代):
ほんのわずかやった。揺れてないとわしは思うけど。
液状化で堤防なくなる
内灘町で観測された震度は5弱。なぜここまでの被害が出たのか。取材班は、その原因の一端がうかがえる場所を訪れた。

発災から10日たった今も、吹き出し続けている水。ここは石川県内最大の潟湖(せきこ)、河北潟(かほくがた)だ。

河北潟の周辺を覆っていた堤防は、液状化の影響で一部が失われ、11日午前9時頃、土のうを積む作業が行われていた。
そもそも、この潟(かた)とは、海の一部が、砂浜によってせき止められてできる湖のような場所。元々は海だった側の土壌は、地下水位が高くなり、液状化しやすいといい、内灘町はまさにこの場所に位置している。
被災者:
またでかい地震があったらまだまだ崩れる。液状化が心配だよ。
液状化が起こりやすい場所は…
専門家は、こうした被害は内灘町に限った話ではないと指摘する。

防災システム研究所 山村武彦所長:
条件が一致すれば、今回の場所だけではなくて全国でも起きる可能性は高いと思いますね。
過去、沼だったり湖だったり川だったり、(地下)水位のいまだに高いところでは、比較的液状化が起こりやすい。
石川県によると、内灘町の被害の全容はまだわかっていないという。
(「イット!」1月11日放送より)