新年恒例の「福男選び」が今年も西宮神社で行われた。「一番福」を手にしたのは、いったいどんな人物なのか。
■「福男選び」で走るために、まず抽選に当たる「福」が必要
商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社・西宮神社。9日から11日までの3日間で、約100万人の参拝客が訪れる見込みの「十日えびす」が開かれている。 中でも一番の盛り上がりを見せるのが「開門神事 福男選び」だ。約230メートルの参道を一気に駆け抜け、3番目までに本殿にたどりついた人が「福男」の称号を与えられるという行事だ。
この記事の画像(9枚)「福男選び」には毎年、多くの人が参加するが、実は全員が“走れる”わけではない。
記者リポート:
開門まで10時間ほどあるのですが、福を求めてすでに長蛇の列ができています
今年は1325人が抽選に参加したが、開門と同時に走れるのは選ばれた「108人」だけ。さらに選ばれた108人でもう1度抽選を行い、門に近いブロックに選ばれないと福男になるのは難しいということで、抽選の時点で“福を持っている”ことが重要になってくる。
2023年の一番福、植本亮太さんは今年も108人に選ばれた。
植本亮太さん:
昨年はソフトバンクのユニフォーム着て走ったんですけど、ソフトバンクから連絡いただいて、『セレモニアルピッチ(始球式前のイベント)』に出させていただいたことが良いことでした
抽選で108人に入った地元の高校生は…
高校生:
マジ1位、優勝、『福男』とりにきました。福男なるぞー
西宮神社の「福男選び」を研究して28年の荒川裕紀さんはその魅力について…
福男を研究して28年 荒川裕紀さん:
非日常感がいきなり突如現れる。そこの転換の何か素晴らしさ。そこにずっと参加してみたいという中毒性とでもいいましょうか、そういうものはあるのかなという気がいたします
■いよいよ開門 福男になるのは果たして?
実況:
今年一年『福を分け与える人』を選ぶ神事。ゴールまでわずか30秒。電撃の230メートルを駆け抜け一番福をつかむのは一体誰か!準備運動もしっかり行い、暗闇にそびえたつ赤門がまもなく開く。毎年起こる波乱の展開はあるのか。午前6時、体制完了。勢いよく門が開き、一斉に境内になだれ込んだ参加者たちだ。
実況:
一斉に境内になだれ込んだ参加者たち。後方ではいきなり転倒する人も。その中でスタートダッシュを決めたのは黒いパーカーの男性だ。一つ目の難所通称「てんびんカーブ」を駆け抜けていった。
実況:
先頭に迫るのは誰か。残すコーナーはあと2つ。外から半袖の男性がまくっていった。残すコーナーはあと1つ。ここで先頭集団の一人が転倒だ。勝負は大接戦となった。制したのは果たして…
■今年の一番福は、大学生・高谷望巳さん
接戦を制し、見事今年の一番福を手にしたのは、尼崎市在住の大学生、高谷望巳さん(19)。高谷望巳さんは「福男選び」初挑戦。追手門学院大学の1年生で、陸上部に所属し、得意競技は400メートル走だということだ。
一番福 高谷望巳さん:
まだ実感沸かないんですけど。一番は地震に遭われた方々に元気になってもらえたらうれしいです
■一番福・高谷望巳さんに生インタビュー
西宮神社から一番福の高谷さんが生出演してくれた。 一番福になって、どんな思いなのか?
一番福 高谷望巳さん:
素直にうれしいです
初挑戦ということで、どんなきっかけで参加されたのか?
一番福 高谷望巳さん:
最初は出るつもりはなかったんですけど、友達が一緒についてきてくれるっていうことで、出てみようと思って
大学の陸上部で活躍されているということ。そもそも1300人の中でまず108人に選ばれて、さらに108人で前の列を獲得しないといけない。高谷さんは何番だったんのか?
一番福 高谷望巳さん:
15番。(Qいい位置?)はい。前から二列目ですね。前がこけてくれたらいけるのかな(という感じでした)。周りはすごくでかくて、速そうな人ばっかりで、怖かったです。とりあえずこけないように、と思いながら走ってました
途中まで1位ではなく、最後に追い抜いて、競馬でいう『差し切って』勝った。抜いたところで「一番福」にいける感じがした?
一番福 高谷望巳さん:
まだ思わなくて、(先頭を争っていた人が)こけたのを見て、あれっと思って、気づいたら前だった
皆さんに福を分けたいお気持ちがあると伺ったが…
一番福 高谷望巳さん:
まずは見てる人が元気になってもらえたらうれしいということ。そして震災に遭われた方もいるので、この映像を見てもらって、最後まで諦めない気持ちが伝わったらいいなと思っています
今日、走るときは何を履いて走ったのか?
一番福 高谷望巳さん:
部活で使っているアップシューズ、ランニングシューズです。この靴を履いて。走りやすかったです
400メートルの選手ということですが、急カーブの対策をしてのぞんだのか?
一番福 高谷望巳さん:
道をあんまり知らなかったので、あんまり意識はしてなかった。地図で見ただけ
今朝一番福になった後いったん家に帰られて、一回寝てしまうと夕方のテレビ出演に寝坊してしまうと思って、寝ずにいて、前日から30数時間起きた状態だということだ。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年1月10日放送)