1月8日は成人の日、熊本県内では約1万7,500人が二十歳を迎える。熊本県内各地で二十歳の門出を祝う式典が開かれた。

「縁を大事にして時代を切り開いて」

熊本市では約7,500人を対象に『はたちの記念式典』が開かれた。

能登半島地震の犠牲者を追悼し黙とうが捧げられた後、大西市長が「縁を大事にして新しい時代を切り開いてほしい」と激励の言葉を贈った。

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そして、熊本市消防局の消防士・横田留那さんが『成人の日 記念感想文』で最優秀賞を受賞した作品を読み上げ、「上司からの指示を待つのではなく社会人として積極的に行動したい」と述べた。

その後、花畑広場では友人との再会を喜び、写真撮影をする若者の姿が見られた。
また、「熊本で教員になりたい」や「仕事を頑張って親孝行したい」といった将来の夢や能登半島地震の被災地への思いが聞かれた。

参加者:
親友が石川で被災したので、熊本地震で経験したアドバイスを石川の人たちにも伝えてみんなで乗り切っていけるよう頑張りたい

 “ゆりかご”に預けられた宮津さんも

自らを親が育てられない子どもを匿名でも預かる、慈恵病院の『こうのとりのゆりかご』に預け入れられた子どもだと公表している熊本市の宮津航一さんもこの式典に参加。

「自分のお祝いの日でもありますけど、感謝を伝える日でもあるのかなと思います」と周囲への感謝の気持ちを語る航一さん。能登半島地震を踏まえ、中学1年の時に熊本地震を経験した1人として次のように語った。

宮津航一さん:
成人をきょうこうやって祝うことができない人たちもいるのかなと思う。そういう人たちの分も自分たちが仲間として喜び合ってそういう思いを分かち合っていかないといけないと思いました

航一さんは学業のかたわら子ども食堂を運営、2023年10月には『子ども大学くまもと』の設立を発表し、子どもたちへ様々な機会を提供したいと活動している。

宮津航一さん:
(将来は)児童福祉の分野に携われればいいなと。自分の経験したことや考えを生かせると思っています

「熊本地震で命の尊さを知った」

熊本地震で甚大な被害を受けた益城町でも7日に『二十歳の集い』が開かれ、参加者全員で能登半島地震の犠牲者に哀悼の意を捧げた。

式では、はじめに熊本地震と同じ震度7を記録した石川県の能登半島地震の犠牲者に黙とうを捧げた。

そして西村博則町長が「多くの試練に決して臆することなく若さと勇気で乗り越えてほしい」と、はなむけの言葉を述べた。

これに対し参加者を代表して熊本大学の垣田如月さんが、中学入学直後に熊本地震が発生したことなどを振り返り「今ある日常が当たり前ではないこと、命の尊さを知る貴重な経験だった」と話し、次のように語った。

参加者代表・垣田如月さん:
私たちは自分の選んだ道に自覚と責任、そして誇りを持ち社会に貢献できるようまた、心から楽しいと思える人生を歩んでいきたいと強く思います

阿蘇市では毎年恒例の市長による歌も

阿蘇市でも7日、『二十歳を祝う集い』があり、佐藤義興市長が歌でエールを送った。2024年はWANDSの『世界が終るまでは…』とYOASOBIの『アイドル』を熱唱した。

出席者は、「元気をもらった」「市長独特のリズム感で良かった」「聞きなれた歌声なので安心した」と絶賛していた。

また、式では能登半島地震の被災地に向けて励ましの言葉が贈られた他、参加した自衛官は被災地に思いを寄せ目標を語った。

出席者(自衛官):
石川県で地震が起きてます。今回はそちらで活躍はできませんが今後、将来的に震災などがあった場合は災害派遣などしっかり頑張っていきたいなと思っています

「あなたのおかげ」と言ってもらえる人に

天草市では3日、『二十歳のつどい』が開かれた。式では、天草市の馬場昭治市長が「皆さんが『あなたのおかげで』と言ってもらえる人になってほしい」と激励。

これに対し参加者を代表して大学生・森さわさんが、「感謝の気持ちを忘れず、新成人としての決意を胸にこれからの人生を力強く歩んでいくことを誓います」と述べた。

(テレビ熊本)

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