酒に酔って同席した女性に抱きつく不適切な行為で社長を解任された、石油元売り最大手・ENEOSホールディングスの斉藤猛前社長がFNNの取材に応じ「謝っても謝りきれない」と何度も頭を下げて謝罪した。
斉藤前社長は20日朝、FNNの取材に対し「私の不祥事でここに至っておりますので、これは当然の帰結であると思います。皆様をお騒がせして、大変申し訳なく思っております」と謝罪した。

さらに、従業員への思いを問われると、「従業員のみなさまは会社の宝でございます。大変申し訳なく思っております。謝っても謝りきれない、そういう気持ちでございます、大変申し訳ございませんでした」と繰り返し頭を下げた。

ENEOSホールディングスによると、11月末に会社の内部通報窓口に、「斉藤前社長が懇親会の席で酔った女性に抱きつく不適切な行為があったと」の通報があった。外部弁護士などが調査した結果、通報内容は事実と判断したという。
斉藤氏は「解任」となり、月額報酬・賞与・株式報酬の一部が返還・没収され、調査に要した弁護士への報酬などの費用についても求償する。

また、その場には副社長の谷田部靖氏と、常務の須永耕太郎氏も参加していたという。
常務の須永氏は、同席した女性に対して性差別をうかがわせる不適切な発言もあったとして3か月間報酬を減額する処分が下された。
さらに副社長の谷田部氏は、斉藤氏を止められなかった責任を問われ、辞任処分となった。
ENEOSホールディングスによると、2人とも「お酒を飲んでいて斉藤氏の不適切行為に気づかなかった」と話しているという。

この2人について斉藤氏は「結果として自分自身のことでお二方があのような結果になったと言うことについて、大変申し訳なく思っております。本当に申し訳ございません」と話した。
最後に斉藤氏はENEOSの今後について、「ENEOSはエネルギーという生活を支える商品を扱っている会社です、新しく出直して、その任を果たして頂きたいと切実に願うだけです」と話し、頭を下げた。
ENEOSホールディングスでは、2022年、当時の会長も、女性に対するセクハラ行為があったとして辞任している。日本のエネルギー業界を牽引する最大手企業のトップが、2代続けて女性への不適切行為で職を追われる異例の事態となっている。
ENEOSホールディングスは19日夜会見し、「2年連続で経営トップによる不適切行為がなされたことは、痛恨の極み。深くおわび申し上げます」と謝罪した。