健康や美容に良いとされる一方、活用が進まず、秋田県内で年間400トンが廃棄されている「酒かす」。酒造りの「副産物」を最後まで味わえるようにと、協同組合が「苦手な人も楽しめる」スイーツを開発した。

口どけなめらか…チョコと酒かすは「ほぼ同量」

12月8日に発売された「酒蔵のブラウニー」。
秋田県内の食の魅力をPRしプロデュースする「協同組合ニカホノサキ」が開発した。

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レメデニカホ・渡邊健一シェフ:
秋田に戻ってきた時から、酒かす問題というか、酒かすの行き場が難しいと聞いていて、食に携わる者としては生かすというか、酒かすも食べられるものなので、食べ物に変えられないかと思っていたのがきっかけ

作ったのは、秋田・にかほ市のフレンチレストラン「レメデニカホ」。
ブラウニーには、にかほ市の酒蔵・飛良泉の酒かすと市内でとれたイチジクが使われていて、一つ一つ手作りされている。

レメデニカホ・渡邊健一シェフ:
特徴はイチジクの乾燥加減。どんと入れると、イチジクが前面に出てしまう。あくまで酒かすの香りを感じてもらいたいし、やさしくイチジクの香りも感じてもらいたい

今回使用した酒かすは20kg。廃棄をなくそうとする中で「少しだけ使うのでは意味がない」と、チョコレートと酒かすは、ほぼ同じ量で配合されている。

レメデニカホ・渡邊健一シェフ:
酒かすとチョコレートの2つの温度を同じくらいにして混ぜ合わせるのがポイント。そうしないと分かれてしまい、焼き上がりが全然違ってくる

オーブンでじっくりと焼いたら、「酒蔵のブラウニー」の完成だ。

佐藤愛純アナウンサー:
とっても濃厚なチョコレートと、イチジクのほんのりとした甘さ。チョコレートの後に、酒かすの香りがふわっと華やかに広がる。ものすごく口どけがなめらかで、これまで食べてきたブラウニーとは全く違う食感で、とてもおいしい

実はシェフも“酒かすが苦手”…「私もおいしく食べられる」

ニカホノサキは今後、県内の酒蔵と連携し、酒かすとその地域の特産物を使用したさまざまな味わいのブラウニーを開発・販売する考え。

老若男女問わず手に取りやすいよう、パッケージにもこだわっている。

レメデニカホ・渡邊健一シェフ:
実は私自身、酒かすが苦手だが、苦手な私もおいしく食べられるようなブラウニーに仕上がったので、私同様にいままで酒かすを敬遠していた人も、一度チャレンジして食べてもらえれば「おいしいな」となると思う。これをきっかけに、酒かすの活用法に目を向けてもらえれば良いなと思う

「酒蔵のブラウニー」は、県内の土産店などで販売されている。

廃棄されるはずだった「酒かす」が主役となった特別なブラウニー。秋田の土産物の新たな定番となるかもしれない。

(秋田テレビ)

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