日々の生活に「コーヒーは欠かせない」という人も多いのではないだろうか。秋田・大仙市で数々のユニークな土産物を生み出している男性が、地元の農産物を使った、全く新しいスタイルのコーヒー作りに挑戦している。

日本でここだけ!? コーヒー“風味”な飲み物

大仙市協和で日本タンポポの特産品化に取り組む今野孝一さん。今野さんは「タンポポ」だけでなく、秋田の魅力を発信するユニークな土産物を次々と生み出している。

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例えば秋田市の「道の駅あきた港」の名物、うどん・そばの自販機のつゆの味を再現した菓子や、秋田県内各地の農産物や加工品が材料のアメは、秋田フキやミョウガなど珍しい味がそろっている。

よしかタンポポプランニング・今野孝一代表:
作り方や製品は大変ユニークでどこにもないものを。こういう製品化は、おそらく日本でもここしかないと思います

そんな今野さんがいま挑戦しているのが「代用コーヒー」。コーヒー豆を使わないコーヒー風味の飲み物で、タンポポやチコリなどが主流だ。

すでに「タンポポコーヒー」を販売している今野さんだが、今回コーヒーに変身させるのは、秋田県産の農産物だ。

フードロス削減へ…「鶴形そば」をコーヒーに

北秋田市のアズキや落花生、男鹿市の青豆。今野さんは、さまざまなもので「コーヒー」を作り上げている。試作しているものの1つが、能代市の「鶴形そば」を使ったもの。

そばの風味を最大限引き出すため、実のままで仕入れる。実を細かく砕き、色や苦みなどを見極めながら30分かけて焙煎(ばいせん)。見た目はコーヒーそのものだ。

よしかタンポポプランニング・今野孝一代表:
1日過ぎると売り場から下げられるものも結構あり、農家さんの苦しみがあって、それを何かにできないかという相談がかなりある。粉末にすると大体のものはコーヒーになるから、活用できるのではないかと考えた

佐藤愛純アナウンサー:
程よい苦みがあるが、全体的にすっきりしている。飲み込んだあと、そばの香りが鼻を抜ける。飲みやすい

独自の「ノウハウ」を生産者へと伝える…

今野さんは「作っただけ」では終わらない。自身の「ノウハウ」を伝える活動にも力を入れている。この日今野さんの元にやってきたのは、仙北市の西明寺栗の生産農家。この農家は、1年間に約1トンの栗を廃棄しなければならない状況だ。

バイオマスの資源として活用しているものの、「商品」として味わってほしいという思いが募り、「西明寺栗コーヒー」に挑戦することにした。今野さんから「個体よりも粉末の方が中まで焙煎できるので、まずこれ(クリ)自体を粉にする」などのアドバイスをもらいながら準備を進めている。

今野さんからのアドバイスを受ける西明寺栗の生産者
今野さんからのアドバイスを受ける西明寺栗の生産者

完成した「西明寺栗コーヒー」を生産者の方が飲んでみると…。

西明寺栗の生産者:
あ!クリ!焼き栗を食べた感じ。コーヒーになったというのが本当に斬新。収穫がもっと楽しくなるし、販路計画も楽しくなると思うので、廃棄するのも少なくなるのではと思っています

よしかタンポポプランニング・今野孝一代表:
「鶴形そば+ブレンドコーヒー」という混合型を一つ。それから、代用コーヒーはノンカフェインなので、まるっきり100%鶴形そばのコーヒー。これはおそらく全国で初だと思います。そういうスタイルを目指したいと思っています

一口で秋田を感じられる、体と環境にやさしいコーヒー。フードロスの削減とともに、生産者の意欲につなげられるか。日常に欠かせない癒やしのひと時に、県産農産物を使った代用コーヒーを取り入れるのはいかがだろうか。

(秋田テレビ)

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