寒い季節に食べたくなるのがアツアツの鍋。

そんな中、ここ数年ある高級魚が北海道の函館市近海に多く姿を現している。北海道函館市の新たな注目グルメを取材した。

意外?高級魚「フグ」が北海道で豊漁 

透き通るような美しい白身。

アツアツの鍋にサッとくぐらせるとプリっとした白身に大変身。

この記事の画像(11枚)

正体は高級魚「フグ」だ。

北海道屈指の観光地として人気を誇る函館市。

函館といえば、やっぱり「スルメイカ」。

しかし近年、記録的な不漁で漁獲量が激減している。

そんな中、高級魚が函館近海に姿を現している。

この日、函館市内の港では大量のイワシに、カワハギやソイのほか、美食の王と言われる高級魚「フグ」が水揚げされた。

「年々イカは入りは少ない。(フグは)いままでそんな入ったことなかったから今年は特に多いかもしれない」(イジルシ佐藤漁業 佐藤伴篤専務)

漁獲量は山口県超えて1位に

フグといえば、山口県下関などが有名だが、2022年の漁獲量はなんと北海道が1位に。

北海道内の水揚げはこの10年間で急激に伸び、約6倍に膨れ上がっている。

函館でもここ2年で約1.5倍に増えている。

専門家によると、海水温の上昇や海流の変化などを理由に、フグが道内で多く水揚げされているという。

「水温の変化でとれる魚も変わってきている。これからまたフグが増えて、とれる量が増えてフグが広まっていけばいい」(佐藤専務)

このフグの大漁の余波は市内の鮮魚店にも。

豊漁のフグ 価格も手ごろに

「取れるので出荷するようになってきて、トラフグなんかもくる。今年なんかこんなでかいトラフグもきて」(紺地鮮魚 紺地慶一代表)

店頭には処理されたフグの切り身が。

フグの水揚げが例年より増加していることなどもあり、値段もお手頃だ。

「1パック200円なので。分かっている人は喜んで出ていないの?って言ってくれるし、出ていると黙って買っていってくれるし。今後、新たにこういうフグとかがその時期のメインになっていくのかと思う」(紺地さん)

店頭にフグの切り身が置かれるとさっそく購入する人が。

「大阪に遊びに行ったときにしゃぶしゃぶは食べたことあるが、函館では食べたことないので今後やってみたい」(購入した人 函館市在住)

この豊漁で地元のフグを活用している店もある。

豊漁のフグを居酒屋で活用 フグのフルコースに

函館市内で約20年に渡って店を構える居酒屋。

厨房にはぷっくりと膨れ上がったトラフグが何匹もいた。

フグ料理などを提供している中里勇さんだ。

30年前にフグ免許を取得した。

「これは函館の南茅部」(旬味千 中里勇さん)

開店当初は山口県のフグを使っていたが、北海道内でのフグの水揚げの増加で5年前から函館近海でとれたフグを取り扱っている。

「地物の天然のフグを使っているので、向こう(本州)に比べたら値段半分くらいで食べられる」(中里さん)

新鮮なフグを手際よく捌いて完成したのがフグのフルコース。

フグのしゃぶしゃぶや刺身に唐揚げ、カルパッチョなど7品が並ぶ。

刺身はきれいに円形に揃えられ、透き通るような美しい白身はまさに極上の一品。

フグのアラで出汁をとった金色に輝いているアツアツの鍋に、白身をサッと茹でると「フグしゃぶ」の出来上がりだ。

「地元のお客さんが食べるようになってきた。イカばかりというよりも色々なものが食べられる。特に高級なフグがいまは食べられる。寒い時期は鍋を食べてもらって中から温まってもらって、元気に冬を越してほしい」(中里さん)

漁獲量の増加で新たな特産品になる可能性も秘めるフグ。

この冬は贅沢にフグしゃぶで身も心も温まるのはいかがだろうか。

北海道文化放送
北海道文化放送

北海道の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。