仕事で出入りする保育園や幼稚園に通う女の子に対し、わいせつな行為をしたなどの罪に問われている男の裁判が仙台地裁で始まり、男は起訴内容を認めた。絵本の販売会社に勤めていた男は、集金などの業務で園に出入りする中で、犯行を繰り返していたとみられている。

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仕事通じ女の子に性的興味高まる

不同意わいせつなどの罪に問われているのは、塩釜市の無職・小野顕一郎被告(32)。

2023年8月30日の午後、宮城県大崎市の保育園で、女の子の下半身をスマートフォンで撮影し、わいせつな行為をしたほか、2022年10月4日の午後には、仙台市内の幼稚園で同様の行為をしたなどとされている。

送検される小野被告
送検される小野被告

11月7日に仙台地裁で開かれた初公判。上下黒の衣服に身を包み出廷した小野被告は、起訴状について間違っていることがないか問われると「ございません」とはっきりとした口調で答え、起訴内容を認めた。

検察側の冒頭陳述によると、以前から幼い女の子に対し、性的な興味を持っていたという小野被告。2019年ごろから絵本の販売等を行う会社に勤め、集金のために幼稚園や保育園を訪れる中で、4.5歳くらいの女の子への性的な興味がより高まり、女の子の陰部を見たり、触ったりしたいと思うようになっていったという

拒んだりしないと…「短絡的」思考

そして、大崎市の保育園に集金に訪れた2023年8月30日。対応していた園の職員が電話応対のためにその場を離れた隙に、小野被告は犯行に及んだ。犯行現場には女の子とは別に男の子が1人いたという。小野被告はその後、戻ってきた職員に対し何食わぬ顔で集金業務を済ませ、保育園を後にしていた。

小野被告は取り調べの中で、女の子を狙った理由について「陰部を見たりしても、女の子はそれを悪いことだとは思わず、拒んだり周りに知らせたりしないと考えた」と供述していた。

男の子がその場にいたにもかかわらず犯行に及んだのも、同様の理由なのだろう。小野被告は、「性的な対象は4.5歳から35歳くらいまでの女性」とも語っていたという。

小野被告は冒頭陳述の間、傍聴席を気にしたり、瞬きを繰り返したりするなど、終始落ち着かない様子だった。

明らかになった第二の犯行

12月18日に開かれた裁判では、第二の犯行・仙台市の幼稚園での事案が審理された。

商品納入のために園を訪れた小野被告。業務を終えた帰り際に複数の園児から話しかけられ、そのうちの1人と2人きりとなり犯行に及んだ。「女の子のしぐさに興奮しわいせつな行為に及んだ」と検察側は指摘。

その後いったんその場から離れようとしたが「せっかくだから行為を撮影したい」と考え、女の子を説得し、撮影にも及んでいたという

抵抗できない幼い女の子への卑劣で悪質な犯行。年をまたぎ、1月下旬には被告人質問と論告求刑が行われ、結審する見通しとなっている。

(仙台放送)

仙台放送
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