1年を通して物価高となった2023年、私たちの生活はどう変化したのか。バブル崩壊以降、類を見ない記録的な値上げラッシュとなった熊本県経済を振り返る。

記録的な値上げラッシュが家計を直撃

岸田首相は10月の所信表明演説で“経済”という言葉を連呼し、新型コロナウイルスや物価高の影響で落ち込んだ経済への対策を打ち出した。

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しかし、私たちの生活は世界情勢や円安の影響などで、2021年の秋から生活に関するあらゆるものの値段が急激に上昇した。

2022~23年に値上げされた食品数は…(帝国データバンク調べ)
2022~23年に値上げされた食品数は…(帝国データバンク調べ)

中でも一番身近な食品の値上げは、2022年を上回る約3万2400品目となり、バブル崩壊以降で類を見ない記録的な値上げラッシュとなった。

価格の優等生・卵でさえも ケーキ店は

さらに2023年は物価の優等生といわれた“卵”も大幅に値上がりし、家計を直撃した。

福岡でのMサイズたまごの価格(JA全農たまご)
福岡でのMサイズたまごの価格(JA全農たまご)

たまごの値段が一番上がったのは3月から5月にかけてで、Mサイズの基準価格は1kg当たり345円と、2022年の同じ時期に比べ2倍近くになった。現在は、200円台後半で推移しているものの、高止まりが続いている。

12月が1年で一番忙しくなる洋菓子店だが、2023年は卵のほか小麦粉、牛乳、バターなどケーキの原材料すべてが値上がりした。

たまごの値上がりについてケーキ店では…
たまごの値上がりについてケーキ店では…

ヴィー・エマーブル 柴田聖司代表取締役:
鳥インフルがはやったらまた値段が上がってくるので、それを心配しています。一番メインの材料になりますのでできたらあんまり上がってほしくないですね

国内ですでに鳥インフルエンザが発生しているため、今後値段が上がることも考えられるが、こちらの店ではケーキの品質を保ちながらも、大幅な価格転嫁は避け、企業努力で乗り切りたいと考えている。

トマトがメロンのような高値に…

また、価格の高騰は熊本が誇るトマトにも…。

トマト農家の東家さんは
トマト農家の東家さんは

トマト生産農家 東家誠也さん:
今まで40年トマトをやっているが、初めてじゃないですかメロンみたいな高値が

2023年の夏は、異常な暑さがトマトの生育に影響し、値段は例年の2~3倍になり、青果店でも手に入らない状態が続いた。
さらに追い打ちをかけたのが生活には欠かせないガソリンの高騰だ。

県内のレギュラーガソリン価格も4カ月で17.3円値上がり
県内のレギュラーガソリン価格も4カ月で17.3円値上がり

熊本県内のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均価格は一時最大183.5円まで上昇。国の補助金が縮小されたことや円安などの影響で、5月からのわずか4カ月間で17.3円も値上がりした。

政府は経済に重点を置いた政策を打ち出しているが、「その場しのぎの対策」という印象は否めない。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
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